迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

真夏の西日本をドライブしてきた、という夢を見た話[2/3]

続き。
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3日目(火曜日)35.6

ホテルをチェックアウトして出雲大社へ向かう。一般の盆休みとずれている上に平日の朝ということを差し置いてもやはり人がいない。
出雲大社
境内には「疫病と闘う皆さんへ感謝」などの言葉が掲げられている。言葉の重みが違う。
この日も朝から暑いんだけど、神社とは不思議な物で境内に入るとひんやりこそしないけれど、体のほてりが取れて気分が落ち着くようなところがある。精神的な物なのか、木々に囲まれていて木陰が多く実際に気温が低いのかは分からないが。

出雲大社
静か。

出雲大社
早くもろもろ落ち着いてほしいものである。

海沿いを西に進む。次に目指したのは世界遺産石見銀山だ。だが、訪問前にあまり調べていなかったために、道路の案内看板に誘導されるまま石見銀山世界遺産センターというところに辿り着いていた。石見銀山の成り立ちから灰吹法についてまで一通りふむふむと理解したあたりでやっと、どうやらこの資料館があるところは石見銀山の集落とは微妙に離れているらしい、ということに気付いた。そこから集落に移動しても良かったのだが、ちょっと気持ちが萎えてしまったこともあり観光案内誌だけ回収して発つことにした。集落の方も結構巡るところは多そうなので、またいつかじっくり訪れてみたいと思う。


海沿いの道に戻って更に西を目指す。
過去に島根県を訪れたときは、山口から特急おきに乗って一気に出雲に向かってしまい県央から西部は車窓から眺めただけで素通りだったので、この辺りは初訪問と言える。

お昼は国民宿舎 千畳苑に立ち寄った。国民宿舎はランチ営業をやっており、そのエリアの特産メニューがあって、割と景色のいいところに建ってて、あまり商売っ気がないもんだから穴場的に空いており、駐車場も止めやすい。ドライブ中にお昼ごはんを食べるのに適している。ここのレストランも空いていた。
国民宿舎千畳苑 えびす丼
えびす丼。お刺身や天ぷらに熱いお出汁を掛けて食べる。おいしい。えびす丼とはなんだろうと思って調べてみたが、特にこういう料理を指すというのはなく地元のハレの料理といった意味合いのようであった。


更に海沿いを西へ。海沿いを走るしかないのだ。

島根県は広島と中国地方の南北を分け合っているが、その面積ほど発展出来ていない。地勢的に道路も鉄路も中国山地に追いやられて海沿いのわずかな平坦部に伸ばすしかなく、山間いにはあんまり広がっていない。海沿いの国道二号、山陽自動車道、山間部の中国自動車道と二次元的に発展している広島県とは対称に、海沿いに一次元的に展開しているのが島根県だ。
そのような道路事情となると、物流を司るトラックも、取引先へ急ぐ営業車も、お買い物に向かう主婦の車も、時速30キロしか出ないシニアカー代わりの老人の車も全部直列に並ぶことになる。道路の流れはあまり良くなく閉塞感があった。逃げ道がないのだから仕方が無い。ぶつ切れの山陰自動車道が繋がったらまだマシになるのかも知れないが、言うまでもなく片側1車線の対面通行道路である。
ずっと海沿いを走っていたら、突然スッと道が空いてきて、気付いたら山口県に入っていた。山口県の主要部が瀬戸内海側であることを実感した瞬間だ。

萩反射炉跡
反射炉跡。ここはいつも人がいなそう。

少し前に沼津の韮山反射炉を見に行っていたので、こちらのはどんなもんだろうと思い訪問。置き忘れた謎のオブジェのような煙突に拍子抜けした。レンガの積みも粗く、日本の近代化を感じさせた韮山反射炉と比べると野性味がある。製造には使わない試験炉であったという説明書きを読んで納得した。

ここから南進し山口市を目指す。今回、山口市湯田温泉街であることを初めて知った。県庁所在地が温泉街であるのは他は愛媛県くらいだろうか。当然温泉のあるお宿を選んだ。ここもチェックインするときに検温があったが、測定ポイントは普通に額だった。36.3度。

おいしいお寿司を食べたり、お宿の近くのゲーセンでプリチャンで遊んだりしてからお宿に戻って温泉へ。誰もおらず貸し切りだった。ゆったり。

4日目(水曜日)35.7

ほとんど通過しただけで観光をしたことがなかった山口県。この日は山口県内をぐるっとめぐった。

秋芳洞
秋芳洞

秋芳洞
暑い日差しが照りつける中、洞窟からは冷気が吹きだしてくる。束の間の避暑。

秋芳洞

秋芳洞

秋芳洞
洞内にざばざばと川が流れていて、これまで訪れたことのある鍾乳洞の中で断トツの大きさと迫力だった。

瓦そば
瓦そば(かっぱ蕎麦)
板で焼いて食べるお蕎麦とはどんな物かと気になっていた瓦そばをいただいた。紅葉おろしがとても良く合い美味。

カルストロード
カルストロード。

カルストロード
ずっとこの景色の中をオープンドライブしたいと思っていたので大満足。

別府弁天池湧水
別府弁天池湧水。不思議な青い池とおいしいお水。オープンドライブで抜けた水分を補充する。

角島大橋
海の上を飛ぶように渡る角島大橋。最高。
このあと、本州最西端の毘沙ノ鼻を回って今回の山口県内観光は終了とした。

本日のお宿はぐっと東に移動して広島空港の近く。淡々と山陽自動車道を走りお宿にイン。36.2度。このお宿にも温泉があったが前日同様貸し切り状態でのんびりできた。

5日目(木曜日)35.7

本日の目的地は愛媛県宇和島。瀬戸内海を渡って愛媛県の海沿いを南下する。
お宿から南下して竹原市内を通り、瀬戸内海沿いをひたすら東へ。このルートは以前に自転車で走ったことがあるが、何度も見たくなるホッと出来る景色があるのが瀬戸内だ。よき。

四国へは尾道からしまなみ海道で渡る。しまなみは自転車で3回ほど走り抜けたことがあるが車で通るのは初めてだ。車で走ると各島の中も比較的標高の高いところを抜けてそのまま大きな橋に飛び込んでいくので、島々の上をずっと飛んでいるように感じられる。海を渡るときだけ標高が上がる自転車とはまた違った視点でしまなみの景色を楽しむことができた。

多々羅大橋
道の駅 多々羅しまなみ公園

お昼は愛媛県に入って道の駅 風早の郷 風和里(ふわり)のレストランを目指したのだがなんと定休日だった。しかたがないので道の駅の市場で売られていた地元のおばちゃんが作ったたこ飯と小アジの南蛮漬けを買ってベンチで食べた。これもなかなか美味しかった。

この日はいろんな道の駅に立ち寄ってお土産を買いこんだ。大好きな柑橘類がたくさんあって大満足。旅程も後半になってくると若干バテてくる。屋根を閉めてエアコンを効かせて淡々とドライブ。そんな状態でも転がしてるだけでロードスターは楽しい。

かどや 鯛めし
宇和島と言えば鯛めし。

続く。

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