迎え角30deg.

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BeeLine Motoを買って8100kmくらい走ったのでレビューする

今年の4月にバイクのナビとしてBeeLine Motoを買ってから8100kmくらい走ったので、実際使っての感想を紹介する。


BeeLine Moto

BeeLine Motoとは

 丸いディスプレイの付いた丸い本体とスマホの専用アプリをBluetoothで繋いで使用する、バイク向けに作られたナビゲーションツールである。進行方向を示す大きな矢印や次の曲がり角までの距離などが表示されるだけのシンプルな作りになっている。バイク用なので防塵防水になっている。
 専用アプリで目的地・経由地を設定すると本体に矢印が表示される。本体には磁気コンパスが内蔵されているので、ハンドルを切っても矢印は進むべき方向を指し示してくれる。電子化された方位磁針だ。

 スマホナビのリッチな表示に慣れた状態から、このような簡素なツールに置き換えて不便ではないだろうかと不安があったが、日帰りツーリングや1週間以上のロングツーリング、SSTRなどいろんな場面で使用して、自分のバイクとの付き合い方に非常に合っていることが分かった。今ではメインのナビとして愛用しており、ナビ用スマホのサブ回線も解約してしまった。
 これまで使ってきて感じた気に入っているところ(メリット)と、ちょっと気になるところ(デメリット)を紹介する。

気に入っているところ

1. スマホをナビとして使う様々なストレスから解放された

 スマホをバイクのナビとして使う際のリスクは落下と振動だ。今やスマホは通信機器だけでなく財布や身分証などを兼ねる重要ライフラインだ。出先でスマホがいきなり使えなくなるのはあまりに怖い。そういうことから自分は安いスマホにサブ回線を契約して使用していた。BeeLine Motoでは、バイクにくくりつけるのは本体だけでスマホはジャケットのポケットやバッグに入れておけばいいので、落下や振動でスマホが壊れるリスクや、事故の時にどこか飛んでいって使えなくなるような懸念から解放される。本体はバイク用に設計されているので振動にはめっぽう強い。

2. 見た目

 ハンドルにデカデカとマウントされたスマホは単純に見た目が悪い。バイクの造形とは全く異質な物体が一番目立つ箇所に付いているのがとにかく嫌いだった。みんなかっこいいバイクやかわいいバイクにスマホが付いてるの嫌じゃないの? BeeLine Motoのコンパクトで一切主張をしてこないところがお気に入りだ。出先でバイクの写真を撮ったときに不快な物が写らない。最高。モダンなバイクにはモノトーンな色で、クラシカルなバイクには愛嬌のある丸さで溶け込んでしまうだろう。

3. 心地の良い適度なゆるさ

 上記2点は、スマホナビが嫌だ、というネガティブな面を解消する話であったが、実際使ってみて気に入ったのが適度なゆるさである。BeeLine Motoがゆるいというよりは、このミニマムなナビを使うことでゆるく乗ることの楽しさを会得したと言う方が正確かも知れない。
 BeeLine Motoの案内はミニマムなので乗りながら周りをよく見ることになる。道路の青看板で方角を確認したり、道ばたの施設の案内看板を探したりするし、逆に道沿いにヒントがあまり無いとちょっと不安になったりもする。こういう感覚が「旅しているな」という感覚を増してくれて楽しいのだ。また、地図上に走るべき道筋がビシッと示されるわけでもないので、その案内は「あっちに行った方がいいっぽいよ」くらいの温度感に感じられ、交差点で曲がり損ねたり、わざと案内から逸れてふらっと寄り道したり、といったことへの抵抗感が全然無い。好きなようにふらふら走ったとしても、最終的にこの矢印に従っていけば目的地に着くという安心感もある。この「適度なゆるさ」が心地よいのだ。これは人によって好みが分かれるだろう。旅好きな人はハマるんじゃないだろうか。

極めつけは、目的地の方角だけを示す「コンパスモード」だ。矢印に向かうような道を自分で選んで行くとそのうち目的地に着くはず、という至極シンプルな機能で冒険感が増して楽しい。

4. 走行ログ

 BeeLine Motoを使って走り回ると自動で走行ログが溜まっていく。帰宅してからも走った道を振り返れるのは楽しい。STRAVA経由になるがGPXファイルをエキスポートすることが出来るので、Googleマップに取り込んでツーリングの思い出を整理するのも一興だ。

▲走行ログの例

ちょっと気になるところ

1. スマホのバッテリを食う

 BeeLine Motoの本体には測位機能などは付いておらず、あくまでスマホアプリの外部表示デバイスである。だから本体の電池はすごく持つのだが、GPS測位や誘導を担当するポケットの中のスマホはじわじわとバッテリを消耗することになる。ただ、普通のナビアプリとは違いディスプレイは点かないので、あっという間に減って気づいたら電池が空!ということはない。機種や使用具合によって違うだろうが、感覚的には1日のツーリングで300kmくらい案内を使い、行き先で写真撮ったりツイッター眺めたりしてしてると、最後の方に心許なくなる程度である。
 自分は、ツーリング途中「この区間はあまり降りないな」っていう時にバイクのUSBソケットからポケットにケーブルを引き込んで充電している。バッグの中でモバイルバッテリーで充電してもいいだろう。このデメリットを逆の見方で捉えれば「バイクに充電ポートがなくても使えるナビゲーションツール」とも言える。

2. 入り組んだ誘導は苦手

 「矢印で次に曲がる方向を示す」ということしか出来ないので、「曲がった先でまたすぐに曲がる」ということが分からない。曲がり角の間隔が短い(30mくらい?)と、1つ目を曲がった後、次の曲がり角の情報を確認する前に通過してしまうことが起こる。これは仕組み上仕方が無いが、それで困るのは都心部くらいだとは思う。バイクで都心部に行っても楽しくないので問題になったことはあまりない。

その他、本体のボタンが妙に固く押しにくい(防水とのトレードオフだと思うし、実際押すことはそんな多くない)とか、バックライトが照度センサでなく時間連動でしょぼく感じる(トンネルに入ると画面が見えない)等など、こうなってればもっと良いなと思う点はあるが些末なことと言えばそれまでだ。

まとめ

ゆるく案内される温度感がハマったこと、スマホナビと決別できたことから、お気に入りのツールとして愛用している。

○こういう人にはおすすめ

  1. バイクでスマホを壊したくない人
  2. バイクの見た目にこだわりがある人
  3. 旅が好きな人

△こういう人にはおすすめしない

  1. ナビがバチバチに誘導してくれないと心配な人
  2. 混み入った街中をメインに走り回る人

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