迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

SSTR2021ツーリング[1/2]

去年のSSTRに参加したときの記録。

SSTR = Sunrise Sunset Touring Rallyは、太平洋側で日の出を見てから、日の入りまでに日本海側の石川県千里浜海岸を目指すラリーイベントだ。途中、道の駅やSA/PAなどのチェック地点でポイントをゲットして、規定の点数を獲得できるよう走らなければならない。日の出ているうちに日本各地から千里浜目指してバイク乗りが集まってくるという、1人で走りながらも一体感が楽しいイベントである。

2021年の開催は10月であったが、エントリー申込みは7月だった。バイクに乗り始めて1か月くらいの時期で、果たして申し込んで大丈夫だろうか?と不安だったが、実走までに遠乗りを何回かこなしていたことも功を奏して無事走りきることができた。

2021/10/9

スタート地点は小田原の酒匂海岸にした。神奈川県内の海沿いで車両が入れるところは有料駐車場ばかりで日の出の時間は入れないところが多い。また、西側は西湘バイパスが海岸に沿っており近づきづらい。ここ酒匂海岸は西湘バイパスをくぐってアクセスできるところにある数少ない海岸だ。


▲酒匂海岸からスタート。日の出は5:45

SSTRの1か月くらい前からスタートできそうな地点はないかと何度か訪れていたのだが、9月末まで緊急事態宣言が発令されていたことで進入禁止のバリケードが立てられていた。解除されなかったときのために近場の別の候補地点も探しておいたが、なんとか予定通りの場所からスタートすることができた。SSTR参加者も多く20~30台くらいはいたのではないだろうか。だがそれよりも釣り人の車の方が多く駐車場は大混雑だった。

指定道の駅はすばしりで早々にクリア。ここでSSTRのゼッケンを付けた50cc原付が一瞬の停車で旅立っていくところを目撃する。同じスタート地点から出たバイクがまだまだ団子状になっている。他人なんだけど仲間のような微妙な空気。


▲道の駅すばしり 6:45

山中湖から河口湖を抜けて御坂みちで甲府盆地へ降りていく。早朝だからそんなに問題は無かったと思うんだけど、街中の渋滞を警戒して一宮御坂IC~韮崎ICだけ中央道に乗った。大型バイクにばんばん追い抜かれる。

韮崎からの国道20号はのんびりしてて良い。空気も天気も気持ちよく最高のツーリング。


▲道の駅はくしゅう 8:59

10時近くなると街中の人も活動を開始する。諏訪市は狭い平地に諏訪湖がドカンと居座っているために、南北に移動できるルートが諏訪湖の両脇の細い部分だけに絞られ日常的に混雑する。タイムロスしたくなくて諏訪IC~塩尻ICだけ中央道に乗った。


諏訪湖SA 9:55

塩尻から日本アルプスサラダ街道、アルプスグリーン道路など、クセ強めな名前の道路を走りつつ道の駅 今井恵みの里に立ち寄る。YouTubeでSSTR参加者のモトブログを眺めていたら、ここで停車して休憩している自分が映りこんでいた。

国道158号 野麦街道に入り、アニメSHIROBAKOの最終話で映るガソリンスタンドで給油。
東日本から西日本に渡る数少ない通り道なので、途中の道の駅風穴の里はSSTR参加者が大挙として押し寄せていた(その1人である) 。山賊焼きバーガーを食べて小休止。

▲道の駅 風穴の里

自分の運転する乗り物で、稲核ダム~水殿ダム~奈川渡ダムの3連アーチダムを越えて国道158号の先へ進むのは今回が初めてである。小さいときに何度か上高地に行ったことはあるのだが道中の記憶はない。ここまでの道は何度も通ったことのある道だったこともあり消化試合的だったが、ここからは新鮮でわくわくである。

上高地を越えて釜トンネルの入り口(この光景は記憶がある)を横目に安房峠へ。軟弱なので旧道を登らず安房トンネルをサクッと通り抜ける。250ccでよかった。

平湯からはほとんどのSSTR参加者は国道158号に沿って高山の方に行ってしまったが、自分は国道471号に沿って神岡を目指す。久々に前後にクルマもバイクもいない一人旅となる。この辺は全くの未踏のエリアだったのでまたゆっくりと観光で訪れたいものだ。


▲道の駅 スカイドーム神岡 12:53

道の駅 神岡で休憩。時間の余裕が見えてきたので、えごまソフトクリームを食べたり、スーパーカミオカンデの展示を眺めたりとゆっくり過ごす。


スーパーカミオカンデの展示

さぁ行くかと出発の準備をしているときに、SSTR参加者のバイクが並ぶ駐輪場にざわめきが起きた。すばしりで見た50cc原付の参加者が到着したのである。「すげぇ…」「マジかよ!」と声が上がり、記念撮影まで行われていた。50ccで越えたのか、安房峠…。

富山へ国道41号を下り、平地に降りてきたら西に向かい砺波を目指す。
道の駅 砺波でST250 Sカスタマイズ乗りの友人と合流した。Sカスタムかわいい、ずるい。


▲道の駅 砺波 15:20

千里浜が近づくにつれて徐々にバイクが増えていく。途中で、自分たちの前後にいた大型バイク集団もろとも1台のクロスカブがぶち抜いていったのをはっきりと覚えている。ライダーの姿勢が完全にレーサーのそれだった。速い人は何に乗っても速い。


▲千里浜海岸ゴール 16:36

千里浜海岸に到着しゴールのチェックインと記念撮影。海岸線に入って海が見えた瞬間、ああ、本当にここまで来たんだ…と急に実感が湧いてこみあげてくるものがあった。砂浜にバイクを並べてる人たちがみんなニコニコしている。

チェックインさえしてしまえば、あとはのんびりゴールゲートを目指すのみだ。砂浜入ってすぐのところは地面がふわふわしており、このまま数km走ってゴール目指すとか無理でしょと思ったが、ちょっと走ったら固い地面になって普通に走れた。

ゴールゲートが近づいてくると、スタッフや地元の人が「お疲れさま!」と声をかけてくれたり手を振ってくれたりする。なんだこれめちゃくちゃ嬉しいぞ。いろんなところにカメラマンの方がいて写真を撮ってくれるが、ポーズを決める心構えをしていなかったのが唯一の後悔である。


▲千里浜の日の入り 17:22

駐車場にバイクを止めて、完走記念品を受け取りに行きイベントステージを眺めているうちに日の入りの時間になった。皆でカウントダウンして大盛り上がりになったところで花火が上がった。この2年、大きな催し物は中止になって悲しい思いを何度もしていたこともあり、この花火は心に響くものがあった。

お宿は千里浜から10kmくらい離れたところだったが、SSTR参加者だらけであった。温泉に入ってジンギスカンを食べた。走りきった後のビールはうまい。バタンキューである。