迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

フェリーに乗船したバイクの固定方法の比較

バイク旅でフェリーを利用すると道のない海の上を移動することができ、島にアクセスしたり、湾をショートカットしたり、寝てる間に長距離移動したりと行動範囲が一気に広がる。そして何よりも船旅というのがわくわくして良い。

船は揺れるのでフェリーに乗り込んだバイクは何らかの方法で倒れないように固定される。これまでのツーリングで何度かフェリーを利用したが、そのバイクの固定方法にも船会社によっていろんなパターンがあったのでまとめたいと思う。何の役に立つのかは分からないが。

基本的にどのフェリー会社も、二輪車を固定する際に傷が付いても文句言わないでねという免責事項に同意しないと乗せてくれないし、私も同意して乗せているので、どの方法は良くないとかそういう批判のつもりは一切ないことを添えておく。

壁面固定式


東京湾フェリー

ラッシングベルトの片側をバイクのフレーム、もう片側を船の壁面に引っ掛けることで固定する方式。バイクを船体に固定される場合では最も簡易的な方法だ。
サイドスタンド側を押しつける方向へベルトを掛けるのでバイクは全て左側を壁にして駐車する。乗船して右側の壁に誘導される場合は車両甲板内でUターンが必要となる。壁面を利用するので、壁際がいっぱいになったらそれ以上は乗船できない。ただ、掛けるところさえあれば押し込めるので小さいバイクが多ければ乗船台数は増やせるのかも知れない。
ハンドルは右側に切っておくように指示された。バイクが前後に動いた際にベルトが張るようにするためだろう。

写真の東京湾フェリーでは、駐車したそばからスタッフの方が手際よくベルトを掛けていったが、車体のどこに掛けるのかちょっと気にもなったしマフラー近くで火傷しないだろうかとちょっと心配になった。フルカウルのバイクや、センタースタンドのバイクはどのように固定するのだろうか。

壁~床面固定式


伊勢湾フェリー

こちらも船の壁面を利用して固定する方法だが、ラッシングベルトの反対側はバイクのフレームではなく床面に設けられたフックに掛けられ、シート部分でバイクを保持する形となる。写真のフェリーではシートに毛布を当ててベルトの圧力を分散させてくれている。床面のフックは駐車箇所毎に設けられているので、このフックの数が乗船可能台数となる。

壁面を利用する方式は、車両甲板に飛びだした階段室やエレベータなどの陰で車を止めにくいデッドスペースを活用しているような場合が多い。比較的小型~中型の船が多い印象だ。

床面固定


南海フェリー


東京九州フェリー

ラッシングベルトの両側を床面のフックに掛ける方式。上の写真の南海フェリーはハンドルバーの左右にベルトを掛け、下の写真の東京九州フェリーではシート部分に掛けて車体を船体に縛り付けている。シートを押さえる方法は、車体形状に寄らずだいたい同じような方法で固定できるメリットがある。

ハンドルバーにベルトを掛ける南海フェリーでは、乗船前に「熱線の入ったグリップヒータが付いている場合、グリップにセンサが内蔵されている電子スロットルの場合」は必ず申し出るように言われた。グリップ部以外に掛けてくれるのか、「覚悟しておいてね」って言われるだけなのかは分からない。
東京九州フェリーの面白いところは、床面に這わせてあるチェーンにベルトを掛けるところ。これなら乗船台数に合わせて隙間を詰め気味にするなど調整が出来る。

床面固定は壁沿い以外にもバイクの駐車スペースが確保してある大型の船が多い。乗船可能台数も多い。

前輪固定具+床面固定


宇和島運輸フェリー

宇和島運輸フェリーはバイク専用の固定器具が装備されていた。器具のキャッチャー部に前輪を押し込むと、キャッチャーが前輪をすくい上げるように起き上がってロックされる。キャッチャーで押さえられていて車体は倒れないので、サイドスタンドは下ろさないように言われる。バイクがスタンドなしに直立静止している様子は見慣れないのでなかなか怖かった。この固定器具に前輪を乗せるのには勢いが必要で、ビビってそろそろと進んでいたらエンストしてしまいちょっと恥ずかしかった。
その後、ハンドルバーの両端を床面にタイダウンして固定される。ハンドルの部分は袋のような形状になっていたが、バーエンドミラーやナックルガードが付いていたらどうするのだろうか。
この方式はこの固定器具の数が乗船可能台数となる。

まとめ

  • バイクは車以上に車体形状のバリエーションがあり、ベルトを掛けられる位置も変わってくる。臨機応変にバイクを固定してくれるフェリーのスタッフの方々には感謝。
  • フェリー旅は楽しい。
  • フェリーに乗るツーリングしたい。