迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

二輪の免許を取った話

もう半年以上前になるけれど、ふと思い立って普通二輪の免許を取った。これまでもバイクを見てかっこいいなと思うことはあったけれど、自分がどういうバイクに乗ってどういう風に楽しんでいるのかイメージが湧かず免許を取るところまではいかなかった。
そのイメージが湧いてきたのはゆるキャン△で綾乃ちゃんがエイプ100に乗ってきたお話を読んだときだ。そうか、こういう小さいバイクでトコトコと旅をする乗り方もあるのかと気づいたのである。愛車のロードスターで景色を楽しみながらドライブ旅行するのは大好きであるが、最近それでも生き急いでいるなと感じるところがあり、そこを埋めるスタイルとしてすーっとバイクに乗る実感が湧いてきた。

入校

乗りたいと思ったら善は急げだ。教習所に行きすぐに入校手続きをしたのが3月末、大学生の春休みでもあり、ご時世柄のせいもあってか教習所はそこそこ賑わっていた。幸いにもキャパがあるところだったので入校出来ないようなことはなかったが、初回の技能教習は2週間後の平日しか取れなかった。
バイクの車種を調べたり、教本を読んだり、ヘルメットを買ったりしているうちに初回教習となった。

教習

初回教習で反対側にぶっ倒したり、冷や汗ダラダラで押し引きしながら「なんか思ってたんと違う」「やっちまったな……」というフレーズが頭をよぎったものの、少しずつ所内をコロコロ転がせるようになるにつれてこれは楽しいかもしれんぞと思えた。教習期間を圧縮するために予約枠を増やせるオプションに課金し、朝昼夜と技能教習の予約ページを覗いて空き枠を見つけては、ちまちまと予約を前に移動する日々となった。この4月から異動のお陰で残業が減ったことから平日夜に教習時間を稼げるようになったのもラッキーであった。
4月中旬の初回教習から2週間掛からずに1段階を終了、GWも空き時間を見つけては教習所へ通い、5月の2週目には2段階みきわめをクリアした。最初は絶対こんなん無理やろと思ってた一本橋もいつの間にかに何も考えずに通れるようになったし、しっかり倒してスラロームを通るのは気持ちがよかった。
ただ、ここまで一応ストレートに来ていたが卒検に挑むのにはまだ不安があった。一つ一つの科目はクリア出来ても、卒検で連続して全てをクリアする自信はなかった。頭の中では、東方で遊んでいた頃、一つ一つのスペルは攻略出来るのに、通しだとなかなかクリア出来なかった思い出が蘇ったりしていた。(オタク)

そして卒検に落ちる

みきわめから1週間後の土曜日、卒検の受験日となった。不安が残っていた上に最後にバイクをまたいでから1週間空いていたので緊張はMAXであった。教習コースには、恐らく卒検用に大事にされているであろういつも見ない番号の教習車が並べられていた。卒検は当然ながらウォーミングアップもなくいきなり検定コースを走ることになる。初めて乗るバイクの感触をすぐに掴んで演技をこなさなければならない。検定コースは外周コースを反時計回りに出発して、最初のストレートで車線変更して障害物をかわし、そこから半周して右折でクランクに入る流れであった。

事件は走り始めてすぐ最初のストレートで起きた。検定用に大事にされていたバイクは、普段の教習車よりメンテが行き届いているのかシフトが軽すぎて蹴り上げた感触が無く、何速に入ったか分からなくなったのである。ワタワタしながら車線変更して障害物を避けたところで、試験官からお情けの「ウィンカー~」の声。戻るときのウィンカーが出ているのは目視ししていたので、避けるときのウィンカーが押し切れいていなかったのだろう。脳みそはウィンカーのことでいっぱいになった。

外周を半周してクランクである。右折で入って左折で出るのでクランクの途中でウィンカーを切り替えなければならない。クランク入ってすぐに切り替えて後はバランスを取ることに集中しよう。意識は完全に左手の親指に行っていた。

いざクランク進入、ウィンカー!と力んだ親指を動かした結果、、、クラクションを鳴らしてしまった。もうパニックである。あれよあれよと前輪はパイロンに接近し、思わず急ブレーキからの立ちゴケであえなく検定終了。
「うわぁあああマジか……」とか言ってるうちにサクッと試験官が車体を起こして、とりあえず最後まで走れと言ってくる。やらかした~と混乱してる頭と、もうどうでもいいやというヤケクソで、冷静にコースを走ることもできず、スラロームパイロンを弾き飛ばすなど散々であった。

その日のうちに補習を受講。ひたすらクランクとスラロームを走り、最後に通しで回って翌土曜日に2回目の卒検を申し込んだ。

家に帰ってきてから、教本に挟んでた運転適性検査の結果を見て笑ってしまった。

  • 神経質・過敏性:C
  • 心配したり悩んだりすることが多い方です。くよくよ考えすぎて事故にならないようにしてください。


よくわかっとるやんけ。

卒検(2回目) 2021/5/22

適性検査の結果を見て笑って開き直ったこと、卒検がどんな雰囲気なのか分かっていたことから、2回目はほとんど記憶のないくらいあっさり終えることが出来た。うそ。スラロームで足に力入ってたのかギア抜けした、けど冷静にギア入れ直して走り切れた。
そしてその日はプリパラ・プリチャンのプリティーシリーズ10周年記念イベント、プリティーフェスティバルの日だった。午前中に検定を受けて、昼過ぎに合格証書を受領。そのまま幕張メッセに向かいイベントを堪能した。何とも忙しなかったが、梅雨のシーズンに入る前に教習も卒検もクリアすることが出来た。恐らくライブ装備のノンシュガーのパーカーで普通二輪の卒検を受けたのは自分だけであっただろう。