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2日目(7/21) 稚内→滝上
朝5時に起きて5時半に出発。普段は夜型人間だがツーリングとなれば話は別だ。明るい時間は貴重。日の出が早い北海道となればますますである。
6時過ぎには本土最北端の地、宗谷岬に到着した。何度も来ている場所ではあるが、来るたびに来るところまで来たな……!と思う特別な場所だ。ここより北に向かう道がないというのがなんか不思議である。朝早く来ると人もバイクも車も少なくて良い。
宗谷丘陵を経由してオホーツク海沿いを南下していく。宗谷岬では雲間から太陽が覗いていたが、宗谷丘陵~猿払の間は「雨は降ってない、雨雲レーダーにも無い、路面も乾いてる、でも走ると脛や手袋の指先がじっとりと濡れてくる」というインビジブル雨に見舞われた。雨具を着ると暑いけど着ないとびしょ濡れになるのでとても厄介。
エサヌカ線に着く頃には雲の厚いエリアを突破しやっと雨具を脱ぎ捨てた。一昨年は暴風雨で修行のように走り抜けたこの直線道路を今年は気持ちよく走ることが出来た。
前回はひたすらオホーツク海沿いに国道238号線を南下して興部に向かった。また海沿いを走るのはあまり芸がないので、今回は浜頓別から内陸に入り山の中を抜ける道道を走ることとした。交通量の多い海沿いの道に対して内陸の道は車が少ないので快適だ。
歌登の町を通り過ぎて道道120号を南下しているとき、森でブラインドになってるカーブを曲がった先の道路の真ん中にクマがいた。急ブレーキで停止。向こうもこっちを見て目が合った。すぐにクマが路肩の茂みに逃げてくれたから全力で加速して走り抜けたけれど、対面している数秒間は永遠の時間に感じられた。道路にいたクマは小さい子グマだったので茂みには親グマがいたのだろう。走り抜けてからしばらくしても後からクマが走って追ってくるんじゃないかという恐怖があった。
北海道のヒグマのニュースが増えているから気をつけなくちゃな~とは思っていたものの、まさか本当に遭遇して向かい合う状態になるとは思わなかった。
暢気に「天気も景色も良いな!!」とバイクを走らせる気分でもなくなってしまい、山の中の道から美深→名寄の街中に降りることにした。(走ろうと思ってた道道49号線も通行止めだったらしい)
名寄のガソリンスタンドで赤いホクレンフラッグとステッカーをゲット。
ちょうど昼食時だったので名寄の街中のスープカレーのお店に入った。寂れて静かな商店街の中でこのお店だけ賑わっていた。大きなハンバーグの入ったスープカレーはとても美味しく満足であったのだが、店名がよりにもよってKING BEARって。
名寄市北国博物館を訪ねてから国道239号線で東へ。西興部の道の駅で休憩し、グラスフェッドミルクのソフトクリームをいただく。濃厚で美味しい。
昨日や午前中は雨上がりで虫は少なかったが、晴れてくると走行中の虫アタックが酷くなってくる。北海道の虫は本州のものよりも一回りも大きく重さも体積もあるので、直撃するとかなり痛く、潰れた虫の残骸も大きい。ネイキッドバイクは体やヘルメットへの虫アタックも避けられず休憩ごとに虫の死骸を拭き取らないといけないレベルになる。ウェアに虫汁の染みが出来てじわじわとメンタルが削られる。
道道137号線
とはいえ、長閑な景色の中をトコトコと走るのは本当に楽しい。
この日は滝上の旅館に宿泊した。目の前に渓谷が見えるお部屋で、お夕飯も美味しかった。
走行距離:322km
3日目(7/22) 滝上→中標津
道道137号線
この日も内陸をずっと走ったのだが、折からのフェーン現象による異常高温のせいで、通過した北見市は37℃になるなど北海道とは思えない環境であった。
滝上から遠別を通り温根湯温泉を目指す。朝早くの山中の道は涼しいがオーブンのような日差しによりあっという間に灼熱地獄になった。
北きつね牧場のキツネたちに会いに来たがみんな日陰でぐったりと寝ていた。時々顔だけ起こしてこっちを見てまた寝てしまう。こんな暑いのに外で活動している方がおかしいのだ。動物たちはいつも正しい。人間は愚かである。
北見や美幌の街中でいくつか気になるお店をピックアップしていたのだが、3連休明けだったらしくどこもお休みだった。仕方が無いので美幌峠の道の駅でお昼とすることにした。
美幌峠から屈斜路湖を見下ろす
美幌峠に以前8月に来た時は大雨で肌寒くウィンドブレーカを着ていた記憶があったので、下界の灼熱地獄も標高が上がれば緩和されるだろうと思っていた。しかし、峠に向けて坂を登っても登っても全く涼しくならない。おかしいなと思っているうちに峠の道の駅に着いてしまった。
頼みの道の駅のレストランは臨時休業であった。理由は「施設にエアコンが無く、厨房の室温が45℃以上になってしまうため」とのこと。普段はこんな気温になることはなくエアコンが必要なことはないらしい。本当に異常事態だった。
仕方が無く売店で買った揚げ芋を冷たいレモネードで流しこんだ。
屈斜路湖近くのガソリンスタンドで緑のホクレンフラッグとステッカーをゲット。
ひたすらに暑い。湖畔の川湯温泉の温度計は36℃を示していた。途中のコンビニでガリガリ君を食べて体内から冷やしたり、塩タブレットをかじり水をガバガバ飲んで熱中症対策をしたりしないと本当に危ない状況だった。風がよく当たって発熱の少ない小排気量のネイキッドバイクで良かったと思った。
こんな暑さでは霧など出るはずがなく、初めて摩周湖の全景をきれいに拝むことが出来た。人の手が入っていない湖は神秘的だった。だったが、ただただ暑い。
神の子池は摩周湖の冷たい伏流水が流れ込んでいるので、水が青く澄んでいて沈んだ樹木が腐敗しないらしい。天気が良かったお陰で綺麗な青色を見ることが出来た。GRIIIxにPLフィルタを取り付ける用意をしていたのも良かった。
道道150号線から中標津の街中へ向かう。この日はとにかく暑くて体力を消耗した。街中のレストランで食べたお夕飯の豚生姜焼き定食が体に沁みた。
bsky.app夕飯で入った中標津の地元密着系レストラン、一日汗だくで走り回ったバイク乗りが求める最強の豚生姜焼き定食みたいなのが出てきて思わず井之頭五郎になってしまった
— いけち (@aoa30.bsky.social) 2025-07-22T10:58:37.148Z
この日は中標津の街から少し離れたところにあるペンションに泊まった。周りは森に囲まれていてとても静か。しかも、この日の宿泊客は自分だけで貸し切りだった。
走行距離:370km