2023~2024年で走った本土16極巡りの北海道編。
北海道は2023年の7月に行き7日間でぐるっと一周回った。北海道は梅雨もなく真夏の暑さもなくと思っていたのだが、宗谷岬では天気が大荒れで帯広では気温が35℃まで上がった。
過酷な時もあったけれど、道も広く、大空も広く、どこまでも続く大地を走り続けている感覚は唯一無二だった。多くのライダーが何度も北海道に向かう理由が良く分かった。また行きたい。
北海道最北端(本土最北端) ― 宗谷岬 2023/7/24
新潟初のフェリーで7/23に小樽に上陸、晴天に恵まれた初日は富良野・美瑛から旭川を抜けて美深に宿泊した。
本土最北端を回る翌日7/24の天気は打って変わって大荒れだった。オホーツク海側から強烈な北風が吹き、雨も時に土砂降りになった。野寒布岬では止めていたバイクが倒れるかと思ったほどであった。
これまでのバイクツーリングの中で一番辛かったと言っても過言ではない1日だった。
宗谷岬は何度か来たことがあったが、バイクではるばるここまで来たというのは感慨深かった。
無くなる無くなると言われなかなか無くならないオトンルイ風力発電所。風車の列が灰色の霞の中に消えていく。
こんなに淀んだ気持ちになるエサヌカ線の写真もなかなかないのではないか。
海からの横風と雨に耐えつつ海沿いの国道238号線をひた走る。このあたりはほぼ一本道なので、宗谷岬で出会ったバイクたちと道の駅で抜いたり抜かれたりしながら走ることになる。勝手にこの天気と一緒に戦った仲間みたいな気分になっていた。
インナーまでずぶ濡れの状態で転がり込んだ興部のペンションでは、「チェックインより先にお風呂入りなさいな!ちょうど沸いたところだから!」と女将さんに言われ身も心も温まった思い出がある。
海からの強風で海水も浴びていたのだろう。翌朝、バイクを確認したところチェーンに付いた鉄粉が錆びていた。(注油して拭いたら全部落ちた)
北海道最東端(本土最東端) ― 納沙布岬 2023/7/26
この日は中標津を出発して納沙布岬を回り、太平洋沿いに西へ移動してから内陸に入り帯広へ向かった。
根室の町を出て納沙布岬へ向かう北側の道は特に人気の無いエリアを走る。最果てに向かっている気分が高まるのでお気に入り。
根室から厚岸の間は国道44号線を離れて北太平洋シーサイドラインを走る。
海の青と丘の緑のコントラストがきれいでとても気持ち良かった。以前通った時は曇ってて薄暗く寂しい道だなっていう印象だったけど、この晴天で全て塗り替えられた。大好きな道になった。
途中で何の気なしに立ち寄った霧多布岬では野生のラッコを見ることが出来た。
帯広を目指して更に西へ。同じ海沿いの道でも様々な表情が見られるのが楽しい。
この日の夜は帯広を牛耳るカレー屋インデアンで夕飯を食べた。
北海道最南端 ― 白神岬 2023/7/28
納沙布岬を訪れた翌日(7/27)は支笏湖・洞爺湖を巡り長万部に移動した。
この日7/28は渡島半島の沿岸を走った。北海道最南端と最西端は近いので1日で両方を回ることができる。
白神岬は北海道最南端の碑はあるものの道路脇の待避所とも駐車場とも言えないところにポツンと立っておりとても地味だ。渡島半島の外周は海沿いの際まで急峻な山が迫っており、それまで走ってきた道とは雰囲気が変わってくる。
大沼から函館へは城岱スカイラインを走った。退屈な国道5号線に飽きたところに出現するこの高台の道は気分が晴れやかになる。
渡島半島の日本海側はそれまでどんな景色かもイメージが全く無かったので、この初訪問の時に見たずっと続く空と海の青・山の緑が綺麗で強く印象に残った。
北海道最西端 ― 尾花岬 2023/7/28
海に迫る山が限界を極めるのがこの最西端の周辺だ。断崖絶壁が海に迫りすぎていて海沿いに道を作ることが出来ずトンネルが増えてくる。
尾花岬も地形が険しくて接近することが出来ないので、岬が見える道路上で最西端到達ということにした。
断崖絶壁を象徴するのが太田山神社だ。見えている階段がロープを掴まないと登れないような異常な角度になっているだけでなく、岩場や鎖場を登らないと本殿に辿り着けないという難易度MAXの神社である。ライディングシューズにプロテクタを着けているツーリングの装備ではとてもじゃないけれど挑めないし体力的・スキル的にも無理なので、海岸沿いに設けられた拝殿をお参りした。