迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

Aero Spaceline Mini Guppy

Mini Guppy
Aero Spaceline Mini Guppy @ Tillamook Air Museum

ミニグッピーはたった2機だけが作られ、その1機がTillamook Air Museumに保管されている。機体は他のグッピーシリーズと同じくBoeing 377 Stratocruiserのコックピット回りや翼の部品が流用されている。Miniとは言え、Stratocruiserよりも胴体がストレッチされているので決して小さくはない。
グッピーは、貨物室前方が膨らんでいるために、機首の部分が開き前方から荷物の積み卸しを行うが、貨物室の断面が一定のこのミニグッピーは、テール部分が開いて後方から荷物を積み卸しをするようになっている。ちょうど、787の部品の運搬を行っているBoeing 747LCF Dreamlifterと同じだ。ただし、ミニグッピーは機体右側にヒンジがありテールを右に振るが、747LCFは左側にヒンジがある。
Cargo door hinges
貨物扉のヒンジ

Cockpit
コックピットは機首部分が半球状になっているため広々している。

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貨物室の床には荷物を動かすためのスライドパレットとウィンチが設置されている。またテール下部にはテールを開けるときにつっかえ棒になる車輪が格納されていたが、この車輪が出てくる開口部が展示機への出入り口に改造されていた(写真奥)。車輪大好き人間としてはサポートの小さい車輪も見てみたかった。

Control cables
胴体のヒンジ部分の機内側の様子。胴体が完全に分割されるために、尾翼を操作するための操縦索や電気系のワイヤ類は当然ここを通らざるを得ない。機体の命綱が全てここに集まっておりフェールセーフもへったくれもない。まさにアキレス腱である。

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胴体分割部のヒンジと反対側の様子。ところどころにロックする機構が付いているが、わずかにすき間が空いていて外の光が入ってきている。現役の頃からこの状態だったのか、シール材でしっかりと気密されていたのか。与圧胴体でもなさそうなので、意外とこのままだったのかもしれない。雨が降っていたらびしょびしょになってしまっただろう。

写真まとめはこちらのアルバム。
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