迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

セント・バーツ島でスリリングな着陸を満喫した話

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St.Barts Gustaf III Airport

セント・マーチン島で飛行機写真を撮りまくる旅行にて、1日だけ島外に抜け出した。目的はやはり飛行機の写真を撮ること。
目指すセント・バーツ島はセント・マーチン島の南東に浮かぶフランス領の更に小さい島。プリンセスジュリアナ国際空港からWinAirのDHC6-300 Twinotterに乗って15分で着いてしまう。セント・マーチンの国際空港はオランダ領にあるので、たった15分のフライトでも国際線扱いでパスポートに入出国のスタンプが押される。

セント・バーツ島の玄関口であるグスタフ3世空港は、海と丘に挟まれた狭い平坦地*1に作られた小さい空港である。見どころは、丘を滑るように急降下していく着陸機。頭をかすめていった飛行機が着陸する様子を丘の上から見下ろすことが出来る。

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Gustaf III Airport全景

見ての通り小さい空港であるが、エプロンには定期便が4機駐まれるスポットがありけっこうな頻度でフライトがある。プライベート機含めて1時間に4,5本は離発着するので、空港の周りでぼんやり眺めてるだけで楽しめる。上の写真で手前に写っている芝生が丘の斜面で、着陸機は滑走路に向けてこの斜面に沿って急降下していく。
空港のビルは入国審査の小さなブースと、出国のスタンプを押す小さなテーブルがあるくらいでセキュリティチェックはなかった。島に持ち込まなかったら持ち出す物もないだろうということだろうか。建物自体は新しくピカピカでおしゃれであったが、雰囲気は高速バスのターミナルの様であった。

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St. Barts Commuter Cessna 208 Caravan

飛んでくる飛行機は、ツインオッター、セスナ・キャラバン、アイランダーというコミューター機御三家がメイン。眺めているとこの中でもツインオッターのSTOL性が際だっているのがよく分かる。
キャラバンやアイランダーはファイナルの急降下時に機速が増して、タッチダウンポイントが伸びてしまう。対して、ツインオッターは急降下時にも増速せずにかなり手前でタッチダウンする。タッチダウンポイントの差によって、キャラバンとアイランダーは滑走路の海側の端まで使い切って減速するが、ツインオッターは直接真ん中の誘導路に入れてしまう。ツインオッターの方が19人乗りで倍以上のキャパなのにこの性能差はすごい。

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WinAir DHC-6-300 Twinotter

ずっと写真を撮っていた丘の上の様子。道路があり車が普通に行き来している。どの飛行機もこの高度・角度で頭上を抜けていく。思わず避けてしまうくらい低めに入ってくることもありスリリング。

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WinAir DHC-6-300 Twinotter

青い空、青い海、滑走路に飛び込む南国の飛行機。最高の一日だった。

その他よもやま1

往路のフライトにて、バスにて飛行機の脇まで移動し搭乗(座席は自由だ)した後、なかなか出発しないのでどうしたものかと思っていたら、空港スタッフが来て「一度バスにお戻りください」とアナウンス。乗客一同バスに戻り、何だろうと様子をうかがっていると、給油車がおもむろに飛行機に近づいてきて、さも当然のように給油作業を行い始めた。給油車が立ち去った後に再搭乗となったわけだが、危うくカリブ海の藻屑にされるところであった。

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高翼機はとかく景色が良い。高く昇らないので、青い海に浮かぶおもちゃ箱のような島を満喫できた。短いフライトの最中は窓にぴったり貼り付きっぱなしだった。

その他よもやま2

セント・バーツ島はフランス領なので、お店などは基本的にフランス語で通貨はユーロ。
スーパーマーケットでお昼ごはんにサンドイッチを買おうとしたのだが、ユーロは持ち合わせていないし小額ではクレジットカードは使えないと言う。食いっぱぐれかと思ったら、なんと米ドルOKとのこと。レートとか関係なく米ドルに80%を掛けた額がユーロとして使えるようだ。当然おつりはユーロで返ってくる。ドルと混ざるのも嫌だし使い道もなかったので、空港の募金箱に全部放り込んでしまった。

アルバム

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*1:帰り際、空港の待合室にて、滑走路が丘から海に向けての坂道になっていることに気づいた