迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

第二次大戦機が飛び交うPlanes of Fameエアショーに行ってきた

P-36
Curtis P-35 Hawk

2015/5/2-3に行われたPlanes of Fame Air Museumのエアショーに行ってきた。土日で同じプログラムで開催されるので、日曜日に乗り込んだ。

開場直後に入ったので、まずは地上展示や屋台の様子を見て回る。ビールやホットドッグなどの定番の食べ物屋台に、ピンバッジやイラスト・Tシャツなど飛行機グッズを売ってる屋台が多い。マニアックなところでは実機のマニュアルや計器を売っている屋台もあった。極めつけは、"For Sale"のDC-3のコックピットがどかんと置かれた屋台まで。アメリカでこういう光景を見ると、日本の自動車の距離感と同じところに飛行機があるのだいうのを実感する。

続けて、地上に並べられた飛行機たちを見て回る。エプロンには飛行展示を控えた機体がずらりと待機中。P-51シリーズは何機いるのか数えるのを諦めるだけの数がいた。零戦グラマンの猫シリーズ…Planes of Fameの所有する飛行可能な機体に加え、他の博物館などからも出張してきているよう。

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米空軍ネリス基地エアショー - Nellis Open House 2014

Thunderbirds
USAF Thunderbirds

昨年2014年11月8~9日に開催されたエアショー(Open House)に行ってきたときの記録。アメリカ暮らしを初めて丸2か月経ち、生活が安定してからの初めてのアメリカ国内旅行でかつ初めて飛行機に乗ってエアショーを見に行った。
ネリス基地はアメリカ空軍のアクロバットチーム、Thudnerbirdsの本拠地。Thunderbirdsのショーをトリに盛りだくさんのプログラムが組まれていたので、ラスベガスに宿泊して土日2日間ともエアショーを見に行く計画を建てた。

飛行展示はもちろんのこと地上展示機もたくさんあって、初日は会場に到着し入り口近くから飛行展示にかじり付きになってしまい、会場の半分も回れなかった。翌日は到着次第とにかく一番奥まで行くことを心がけてなんとか全体を見て回ることが出来た。2日間にしておいてほんと良かった。

ネリス基地祭は他のエアショー会場と違って珍しくアルコールが解禁されている。カリフォルニアのからっとした日差しを浴びながらビールを煽り、飛行機を眺めて実に幸せな時間を過ごすことが出来る。ただし、アルコールを摂取するとカメラのピントは合わないし望遠レンズはぶれるぞ。

飛行展示

F-35
F-35A
会場到着直後に離陸していくのを見送ってから、どこに飛んでいったのかよく分からなくなっていたF-35。なんと開会式の国歌に合わせてF-22と編隊を組んで会場上空に突入してくる演出だった。ただ、国歌演奏中という厳かな時間だったのでカメラを振り回すわけにもいかず、飛行する姿を撮影できなかったのが残念。離着陸はなんとか撮れたけど。

F-22 + F-86
F-22, F-86編隊
米空軍の歴史を感じさせるデモフライト。以前はF-16やP-51も組み合わせた更に豪華な編隊だったそうな。
F-22F-86も個別に飛行展示していた。F-22はそのエンジンパワーに物を言わせたマニューバを見せつけていた。とにかく滅茶苦茶。ピッチアップでローパスしてると思ったらそのままフルスロットルで90度に上昇していったり、スピンしながらくるくる落ちてきたり、スラストベクタリングでありえないピッチ挙動をしたり。おまけにウェポンベイをパタパタ開け閉めしてローパス。果たしてこれは飛行機なんだろうか、そのつるっとした外観のイメージと相まって宇宙船のようにも感じてしまう。
対して、F-86は実に正当な“飛行機”。得たエネルギーを失わないよう、限られたパワーを生かし、きれいな航跡を引きながら飛んでいく姿は実に爽快。空気に逆らわず、無駄のない動きをする飛行機がこんなに美しいとは…と再確認させられた。

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Museum of Flight Restoration Center

レストア作業が展示品

Hangar
シアトル市内にある航空博物館 Museum of Flightから車で約40分、Boeingの工場があるPaine Field飛行場の脇にこの小さな建物がある。ここはMuseum of Flightの活動の一つとして航空機のレストアが行われている作業場であるのだが、その建屋の中が博物館のように一般に公開されているのだ。
館内には、今まさにレストア作業が行われている機体やこれから作業される機体の部品、展示として常設されている機体が所狭しと詰め込まれており、人によってはガラクタの山にしか見えないが、ごく一部の特殊な趣味・性癖を持つ人たちの目にはお宝が山積みになっているように見える素敵な空間である。
作業机には加工途中の部品、図面、マニュアルが転がり、タイミングによってはボランティアの方が実際にレストア作業に励んでいる姿を見ることも出来る。時期によって作業している機体も変わるので、時々中を覗くと作業の移り変わりも楽しめるだろう。

一口にレストア中の機体と言っても、まさに作業が行われている物や、埃まみれで久しく触られた形跡が見えないんだけど…?って物まで幅広い。ネタもなかなかレアな代物が多く見物である。

Boeing SST
Boeing SST
ボーイングが計画していた超音速旅客機、の胴体部分モックアップ。実際に計画のみで終わってしまったプロジェクトであったので、ここにあるモックアップはその存在の数少ない物証だろう。コンコルドと同じように、離着陸時は前が見えるように写真右側に写っているバイザーを下げ、超音速飛行時はバイザーを上げる、そのメカの様子がよく分かる。一応、レストア中とは書いてあったものの、モックアップのレストアってどこがゴールなのだろうか。

De Havilland Comet 4C Cockpit
De Havilland Comet Cockpit
コメットは館内で唯一常設展示となっている。というのも機体は屋外にあるのだが、壁に穴が開けられて機首部分だけ館内に突っ込んである作り付けになっているのだ(最初の写真参照)。機内も公開されており、世界最初のジェット旅客機を体験することができる。アメリカ国内でのコメットの展示は珍しいが、先に書いた展示方法のために機体全体を眺めることが出来ないのは少々残念。

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Aero Spaceline Mini Guppy

Mini Guppy
Aero Spaceline Mini Guppy @ Tillamook Air Museum

ミニグッピーはたった2機だけが作られ、その1機がTillamook Air Museumに保管されている。機体は他のグッピーシリーズと同じくBoeing 377 Stratocruiserのコックピット回りや翼の部品が流用されている。Miniとは言え、Stratocruiserよりも胴体がストレッチされているので決して小さくはない。
グッピーは、貨物室前方が膨らんでいるために、機首の部分が開き前方から荷物の積み卸しを行うが、貨物室の断面が一定のこのミニグッピーは、テール部分が開いて後方から荷物を積み卸しをするようになっている。ちょうど、787の部品の運搬を行っているBoeing 747LCF Dreamlifterと同じだ。ただし、ミニグッピーは機体右側にヒンジがありテールを右に振るが、747LCFは左側にヒンジがある。
Cargo door hinges
貨物扉のヒンジ

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Tillamook Air Museum

牧草地の真ん中にそびえる異物

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でかい。

ポートランドから西に車で1時間半、海沿いの畜産の街ティラムックの牧草地の真ん中に、「AIR MUSEUM」と大書きされた建物が見えてくる。遠くからでもよく見えたそれは、近づくにつれどんどん大きくなり、目の前に立ったときはあまりの桁違いさに笑いがこみ上げてくる。上の写真では建物の前に置かれたミニグッピーの大きさに誤魔化されてしまうけれど、建物の脇に駐められた車の大きさと比較するとその異様さがよく分かる。

巨大な木造建築

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もともとこの建物は米軍の飛行船の格納庫だった。太平洋戦争中は日本軍が乗り込んでくるなら西海岸のこの地かもしれないと、飛行船で警備が行われていたらしい。木材で美しいトラスに組み上げられたこの格納庫は、柱がない木造建築として現在でも最大であるとのこと。その巨大な建物が博物館として使用されているが、そこまで展示品は多くないので敷地の大半を持てあましている。今回訪問したときは、建屋の半分はキャンピングカーの駐車場として使われていた。

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Evergreen Aviation & Space Museum

巨大水上機の眠る場所

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現在においても翼幅最大を誇る巨鳥、H-4 Spruce Gooseが翼を休める。胴体の脇に立ち、機体を見上げた時のその威圧感は建築物のようでなかなか飛行機として認識できない。天井の高い建屋の中にまるで壁が立っているような迫力である。

航空会社のコレクション

2014年のサンクスギビングの連休に訪問。シアトルからポートランドまでI-5を南下すること3時間、ポートランドから1時間、マクミンヴィルの街外れに広がる更地のど真ん中にに突然ボーイング747が置いてある。Evergreen Aviation & Space Museumは、オレゴン州を拠点とする貨物航空会社エバーグリーン航空(台湾のエバー航空ではない)の所有する航空宇宙博物館。航空会社が博物館を運営しているというのは面白い。
企業の持つ博物館というと自社に関連する物の展示がメインとなりそうな物だが、ここは軍用機・民間機・実験機・ロケット・衛星・ヘリコプターetc...と節操がない。特にコンセプトを持って集めているようでもなく、空を飛ぶ物なんでも集めてしまったという、おもちゃ箱のようなコレクションだった。
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博物館の展示はAviation Museum, Space Museumの2つの建物に分かれており、Aviationの方には歴史的な航空機が、Spaceの方にはロケットや人工衛星と割と最近の航空機が収められている。どちらの建物も妻面と天井のガラス張りにより明るく、写真を撮るのも楽しかった。

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スミソニアン博物館 本館~別館 移動方法メモ

年末年始にワシントンDCのスミソニアン航空宇宙博物館に行ってきた。本館と別館の間の移動手段について書き残しておく。

なぜ書いたか

スミソニアン国立航空宇宙博物館はワシントンDCにある本館とダラス国際空港の脇にある別館(Steven F. Udvar-Hazy Center)の2館からなるが、この間の移動が結構面倒くさい。もちろん、博物館のインフォメーションデスクで問い合わせれば教えてくれるのだが、日本人が英語で説明を受けてまともに理解できるはずもなく、分かっただろ?という顔をされれば、Noと言えない日本人は頷くしかない(マテ。インフォメーションは閉館時間より早く閉まってスタッフがいなくなってしまう上に、移動手段をまとめたチラシの一つも置いていない。

助けを求めてネットを検索するとYahoo知恵袋の投げやりな回答が見つかるばかりでその通りに辿ればちゃんとたどり着けるのか不安は解消されない。

本館~別館の移動は路線バスの乗り継ぎが必要となるが、路線バスとは見知らぬ旅行先で利用するにはとても難易度が高い乗り物である。乗るべき路線がよく分からなかったり(目的地最寄りのバス停が分かりづらい/行き先表記にブレがある etc...)、運賃の支払い方が地域ごとに違ったり(前払い/後払い/チケット購入して乗車 etc...)と、その土地での生活に慣れている人で無ければ利用しづらい。これを乗り継ぐ必要があるのだからさらに厄介である。(少なくとも自分は海外・日本国内問わず路線バスを旅程に組み込むのはリスクだと考えている)

その不安を解消するのにこの記事が役立てば幸いである。

お約束

本記事は、2015年2月14日時点の路線・運賃・時刻表による記事である。適宜リンクから根拠資料の確認を行って欲しい。

ルート概要(本館から別館)

本館南口→(徒歩/5分)→L'Enfant Plaza stationバス停
→(路線バス1/metrobus 5A D.C.~Dulles Line/約1時間)→Dulles Airport(乗降場 Curb.2E)
→(路線バス2/Fairfax connector 983/12分)→別館目の前

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