迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

パソコンの机を作った

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あらまし

アメリカから帰国してから約半年間、会社の寮的なところで生活をしていたのだが、いい加減その狭さに我慢がならなくなりちょっと広い部屋へ引越しをした。そのタイミングでパソコンのデスクを自作した。小さいときから工作をするときも本を読むときも机に向かっていた自分にとって作業机は重要な生活基盤。せっかくと言うことで自分の欲しいサイズで欲しい形の机にしたいと思い立った。

設計

これまで使っていたIKEAのMIKAELは幅1400で、24インチのデュアルディスプレイの両側にアクティブスピーカを置くとギリギリいっぱいだった。これよりも余裕を持たせるものとして幅1800以上とすることにした。机の脚は天板と同じ奥行きの板をそのまま側板として立てるシンプルな形、ディスプレイなど重量物が並ぶ部分の下に天板の補強と側板の倒れを防ぐ壁板を渡す形とした。机の高さは、自分の身長で脚がぺったりと床について腕を自然にキーボードにおける高さとして690mmとした。世の中にある市販の机よりちょっと低めとなる。

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天板と側板・壁板の組み立ては、この先分解できるようにするためにボルトによる組み立て式とした。本当は回転締付円盤を使ってカッコ良く仕上げたかったのだが、所詮は素人の手加工なので組立精度を出すことが不可能と判断。側板・壁板それぞれに木製ダボでボルト締め付けのための角材を接着し、天板に埋め込んだ鬼目ナットに向けてボルトをねじ込むこととした。

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また、それまでの机が真っ黒だったために部屋の中で威圧感が強すぎたことと、机上のホコリがとても目立つのが気になっていたことから、木目そのままとすることにした。

材料

30mm厚さのパイン集成材とした。明るい色合いと集成材としての木目がかわいい。長さ1830x幅750の板と幅900の板2枚を買ってホームセンターの加工サービスで必要サイズ切ってもらった。それでもソリッド材となるのでかなり重たい。当然自分のクルマ(ロードスター)には載せられないので、引越しの荷物を運搬するために借りていたハイゼットで運んだ。ハイゼットであっても助手席後ろに乗せるには1830が限度だった。

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製作

部材の加工は、側板の幅木避けと天板のケーブル用カットアウト部のみ。ホームセンターで大物部材の切断を済ませていると作業が本当に楽だ。大きい切断になればなるほど納得のいく仕上がりを求めることは難しい。ダボ組立、穿孔などの作業も特に問題は無かった。必要な道具をしっかり揃えて精度を出せるようになっていれば大きな問題にはならない。今回、ダボマーキングポンチも垂直ドリルガイドも初めて使ったが、これらのおかげでダボの位置合わせで困らずに済んだ。

手間と時間がかかったのは塗装作業だった。天板の表面はツヤありウレタンニスを4層につや消しを1層、その他の部位はツヤありを2層とつや消しを1層塗り重ねた。
ウレタンニスを塗布する度に表面をサンディングして平滑にしていくことできれいな仕上がりを得るのだが、そのウレタンニスをサンディングするには最低12時間くらいは置かないといけなかった。ウレタンニス自体は、2~3時間もすれば触ってべたつかない状態になる。ただ、その時点では完全に硬化しているわけではないので、サンドペーパーでこするとその熱も加わって削り取れた樹脂がペーパーに詰まってしまう。当然きれいな表面に仕上がるわけでもない。塗装する面は各部材の両面にあるため、片側を塗っている間はその裏面は何も出来ない。これが完成をだいぶ遅らせる要因となった。
ただ、天板表面の4層ものウレタンニスになると、水研ぎしてるだけでそのスベスベが伝わってきてものすごく気持ちがよかった。刷毛で塗ったニスが数分後に水を張ったようにきれいな平面に流れているのを見ると幸せになれる。塗装作業は手間と時間はかかるのだが、その作業が最終仕上がりに直接影響する。手は抜けない。

調達品

今回の作業にあたり新たに導入した道具を整理する。

切断系

Z ゼットソーIII 8寸目本体

Z ゼットソーIII 8寸目本体

側板の幅木避けや、天板のケーブル孔の加工のために購入。もちろん手持ちにもノコギリはあったのだが、厚み30mmの板はしっかりしたやつが必要だった。切れ味良くて気持ちがよく作業ができた。

天板のケーブル孔のカットアウトのために購入。この引回し鋸は刃の幅が細いのでねじりながら作業することで曲線に切ることができる。
カットアウト部は下図の順序で加工した。赤矢印は普通のノコギリ(ゼットソー)でオレンジ矢印がこの引回しノコギリ。普通のノコギリで先に大きな塊を除去しておくのがコツのようだった。ノコギリで切った後はひたすらヤスリで平滑に仕上げる。
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孔開け系

SK ダボ用マーキングポンチ DP-8

SK ダボ用マーキングポンチ DP-8

SK11(エスケー11) ドリルガイドキット 4~12mm SGK-6

SK11(エスケー11) ドリルガイドキット 4~12mm SGK-6

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ダボ孔や鬼目ナットを入れる孔を正確に開けるために購入。ダボマーキングポンチは片側の穴にセットして相手部材に押しつけるとダボのセンターが転写される。この罫書きを拾ってドリルガイドを使いながら面直の穴を開ける。このドリルガイドは、六角レンチを通すことで鬼目ナットを垂直に挿入する際のガイドとしても利用できた。

SK11(エスケー11) 木工用ドリル ボアビット 15mm

SK11(エスケー11) 木工用ドリル ボアビット 15mm

ボルトの頭を沈める座繰り用

スターエム 先三角ショートビット NO.5B 9MM

スターエム 先三角ショートビット NO.5B 9MM

鬼目ナットの下孔用。

鬼目ナットは組み立てたときに隙間が出ないように、フランジのないE型を選択。

SK 木ダボ DB-8

SK 木ダボ DB-8

ダボの位置がずれてしまったときはボンドを塗ってダボを打ち込めば、硬化後に孔開けをリトライできる。

まとめ

  • 塗装時間の計画は余裕を持って
  • 自分の欲しいサイズの机最高
  • 愛着が半端ない