パソコンのHDD故障を久々に体験した。原因追及から復旧するまでを整理しておく。
以前は自作PCのトラブルを検索すると、有用な情報に巡り会えることが多かったのだが、最近ではYahoo知恵袋やMSやAppleの禅問答のような掲示板のやりとりに胡散臭いまとめサイトの情報ぐらいしかヒットしない。少しでも参考になるような情報を残しておければと思った次第である。
環境(自作PC)
故障したHDD : Western Digital Green WD30EZRX 3.0TB
使用開始日 2013年5月頃(約4年半)
容量3TBのうち、約2/3程度を使用
個人的なドキュメント、写真、iTunesの音楽などデータドライブとして利用
ほぼ毎日プライベートで使用。起動時間は平日で3~6時間、休日はほぼ丸一日。
「使用期間4年半」というところでほとんど出オチと言っていいだろう。
発生した事象
顛末
2017/11/4
ドライブから帰宅し、カメラの写真を取り込んで編集しようとしたときに異常が発生した。ローカルの写真を整理しているPicasaや、現像作業に使っているLightroomを立ち上げると、極端にパソコンの動きが鈍くなった。
なんかパソコンのレスポンスがめちゃくちゃ悪くなってるんだけど何でだ
— いけち@C93日曜 東P-10b (@aoa30) 2017年11月4日
タスクマネージャを開くと、データドライブの様子がおかしい。ディスクドライブの「アクティブな時間」が常時100%となっているのだが、転送速度は100kB/s単位と異常に遅い。データが流れていない時間の方が長いくらいだ。
何やこれパソコンがまともに動かんぞ pic.twitter.com/bA3A4PzepB
— いけち@C93日曜 東P-10b (@aoa30) 2017年11月4日
ネットで調べると、Windows8から「アクティブな時間100%病」が発症しパソコンが重くなるという情報が出てくる。それらの記事によると、Windows Updateのあとに発生しやすい、不要サービスをオフにすると直る、仮想ディスクの設定を弄ると直ることがある、これといった確定的な原因があるわけでは無く人により効果的な処置は異なる、などの情報が得られた。サービスを止めたらそりゃ軽くなるだろうけど、いずれも根本原因に対する処置でないだろうということは容易に想像がついた。
2017/11/5
常に重いわけではない。
Lightroom and/or Picasaを起動するとHDDのアクセスが100%となりパソコンのパフォーマンスが極端に落ちる。お話にならない。
— いけち@C93日曜 東P-10b (@aoa30) 2017年11月5日
ディスクチェックを走らせてもエラーは検出されなかったが、HDDがハードウェア的にトラブルを起こしているだろうと目星を付け、交換のために新しいドライブを買ってきた。上記のソフトウェア的な問題があるかもという懸念も消しきったわけではなかったので、まずはドライブのクローン機を用いてデータドライブのコピーを試みた。
新しいドライブのフォーマットとデータのクローン作業に時間を要し、貴重な日曜日はパソコンに触れることなく終わった。
2017/11/6
朝起きてクローン機を見てみるとエラー表示で止まっていた。クローン元と先の両ドライブを接続してPCを起動してみると、ドライブ内の占有量自体はほぼ同じだったのだが、ドライブレターをスワップして再起動してみるとチョコチョコ様子がおかしくドライブの中身が正常にコピーできなかったことが窺えた。
新ドライブをもう一度フォーマットし、今度はWindows上でデータドライブの全ファイルを単純にぽいっとコピーした。
順調にデータのコピーが進んでいき、土曜日の夜にカメラから取り込んだ写真が保存されたフォルダに差し掛かった瞬間、ドライブの「アクティブな時間」が100%に振り切れてデータの転送が止まった。このフォルダに異常があったのだ。
そのフォルダに保存されている写真はデジカメの中にまだ全て残っていたので、Windows PowerShellからフォルダごと削除。残りのデータファイルのコピーを続行した。
2017/11/7
コピーの終わったデータドライブを交換して起動、正常に動作することを確認した。これにてデータドライブの異常からの復旧作業が完了した。
想定される原因
不調の原因は、土曜日の夜にデジカメの画像を取り込んだ際に、不調を抱えていたと思われるデータドライブの駄目なセクタを踏んづけた、もしくは踏んづけて駄目になったことと考えられる。PicasaやLighroomなどを起動すると同時に重くなったのは、これらの写真管理ツールが読み書きに異常が起きているフォルダを漁りに行ったからだ。
「アクティブな時間100%」病とはなんなのか
この異常に触れているウェブサイトの記事を眺めていると、ソフトウェア的な問題でありWindowsのシステム設定を弄り回して対処する、ただし対処方法としてこれと決まった決定打はなく様々な方法で解決できたという報告がある、という煮え切らない記事が多い。Windows8以降にて発生するようになった問題だと取り上げ「またマイクロソフトが余計なことをしてこんなことになった」という論調も見られる。
今回の自分の事案では個人的なデータの書き込まれた領域にて異常が発生したが、これがWindows Updateで書き込まれた領域やシステムの動作により読み書きされる領域にて発生したらどうなるか。恐らく、先述した「Windows Update(にて書き込んだところに異常があったので、その)後に発生する」「不要サービスをオフにする(ことで異常領域に触れないようにする)と解消できる」etc...という状況になるのではないか。ドライブの異常が起きた領域と、そこで何が読み書きされるかは当然人によって違うので「これといった確定的な対処法はない」となる。
なぜ、「『アクティブな時間100%』病がWindows8以降に発生するようになった」と言われるか、それはWindows8以降のタスクマネージャに各ドライブの動作状況を確認することができる機能が付いたから、という単純な理由だろう。それ以前も同じようなHDDの異常は起きていた。ただ、それらはアクセスランプの点灯状況とドライブの動作音を確認するという、一般的とは言えない判定方法によってしか確認できなかった。それがタスクマネージャのグラフで簡単に確認できるようになったのだから、新たなトラブルと取り上げられてもおかしくはない。そこにバイアスが掛かって「MSのせいで…」みたいな論調になっているのはもはや苦笑いである。まぁ、かく言う自分も状況を確認してすぐに「ハードディスク アクティブな時間 100%」等とググった人間の1人なので言い訳もできないが、冷静に振り返ればパソコンと付き合う上で切っても切り離せない「記憶媒体の寿命」の問題であった。
まとめ
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約1年前にシステムドライブのSSDが吹き飛んだときのお話。
aoa30.hatenablog.com

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