迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

奄美大島と加計呂麻島に行ってきた話

去年の7月のこと。ここ数ヶ月、思うように出掛けられなくて息苦しく、気持ちよく遠出した記憶を思い返したくて書くことにした。

計画

最初は、奄美大島を中心にすぐ東に位置する喜界島と南に隣接する加計呂麻島の両方をめぐる案で計画していた。喜界島は訪問者も少なく、昨今なかなかないローカル感を味わえるとのことで楽しみにしていた。が、喜界島を出入りする交通手段があまりにも少なくまともな旅程を組めないことに気づいた。フェリーも毎日ではなく航空便もいまいち乗り継ぎが悪い。無理して3島回ろうとすると、島でゆっくり過ごす時間が無くなってしまう。

今回の目的は限界移動旅行ではない。南の島の空気を感じてリラックスすることだ。訪問先を奄美大島本島と加計呂麻島に絞った。

初日(2019/7/26 羽田→鹿児島→奄美大島

羽田空港から鹿児島空港まで767、鹿児島空港からはE170と乗り継いで奄美大島に到着。ほとんどの旅行者がレンタカー屋に吸い込まれていく中、島の中心部へ向かうバスへ乗り込む。暑くてべたべたするんだけど、都心部のオーブンの中のような暑さとは空気が違う。

この日は町中のホテルに泊まる。お夕飯を探しつつ散歩。
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常連のおじさんから焼酎のボトルをいただいたりしながら夜が更ける。

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ツイッターとの距離を見直すときが来たんだと思う

2009年にアカウントを作ってもう11年目になる。こんなに長く続けられているSNSは自分のインターネット史上でもツイッターが唯一だ。学生の時に始めて、社会人になり、その間も日々せっせとツイートしてきた。人生の無視できない期間を過ごしてきたツイッター、そのログや人間関係は紛れもない今の自分の財産であり、重要なライフログになっている。

だけど、ここんところそのツイッターと距離を取りたいと思うようになってきた。これまでもふとした瞬間に「ツイッターやめたい」などと譫言のように吐き捨てていたが、最近になってそういう瞬間的な思いは深層での心の叫びだったんだなと実感。アカウントを捨てて消えるというつもりは今のところないけれど、付き合い方は見直していきたいと考えている。

しんどくなってきた理由はいろいろある。

1. うんざりする話題が頻繁に流れてくるようになった

反射的な政権批判やツイフェミ界隈、バカッター晒し、お気持ちメモ帳キャプチャ、説教臭い白ハゲ漫画などがバズるだけでも辟易なのに、それと合わせて“評論家”の方々のツイートが多方面からRTされて来る。ミュート設定したり、ブロックしたり、そういうネタをよくRTしてくるフォロワをリムーブしたりと自衛しているが限界がある。郵便受けに放り込まれるチラシも、見ないでゴミ箱に放り込んでいるうちはまだマシだが、昨今の状況は度が過ぎて対処に窮している。

2. なんでか怒っている人が増えてきた

1つ目と繋がっていると思うのだが、タイムラインからイライラした空気を感じることが多くなってきたことだ。怒りに満ちたツイートは、数は少なくとも印象が強くタイムライン上で見つけてしまうと後味が非常に悪い。
晒して怒って、批判して怒って、イライラに溢れた言葉の荒いツイートが他の人を刺激し、雰囲気がどんどん悪くなってるのを見てしまったりすると最悪である。リアルでも関わったことのある人がそちら側に行ってしまうのを見た時の落胆は特に大きい。義憤バトルドームと化したツイッターの現状はあまりに精神衛生上よろしくない。


上記2点は、ここ数年でじんわりじんわり増大してきた違和感だ。
事態を致命的にしたのがコロナウィルス騒動である。現実世界とは切り離され好きなことを好きなように楽しんでいる人が集まっている世界は、一瞬にして現実世界の渦に飲み込まれた。流れてくる話題は先に書いたうんざりネタに、似非医学や買い占め騒ぎなどを加えてイライラの熱を増している。ニュースを読んで各自が咀嚼すれば良いだけの内容をなぜ増幅させて撒き散らすのか。増幅されたツイートやRTのエコーが響き渡って地獄の様相である。

3. 不安感が増長される

このご時世を受けて増えてきた悲観的なツイート群がしんどさに拍車をかけてきている。具体的には「状況が収束するには2,3年掛かるだろう」とか「来年もイベントは無理だろうね」みたいなやつらである。ネガティブな内容という意味では怒りと同じであり表裏一体と言えるだろう。本人としては吐き出すことで現実を受け入れようとしているだけかも知れないし、実際に言う通りになるのかもしれない。でも、事態がどう進展していくかは現状誰にも読めないわけで、その不安の中では早く収まって欲しいねと願うことしか希望が無い。そんなところに先のようなツイートが流れてくると、増長された不安感で今だけの不自由だからと我慢している気持ちが折れるのだ。楽しみにしてたライブイベントがいくつも中止になって心が弱っているときに、そんなツイートを見ると絶望感に押し潰されそうになった。悲観は不安を呼びスパイラルに入って希望の灯が消える。なんで現実世界からの逃亡先であるツイッターを見て心を折られなければならないのか。

4. ツイートするのが怖くなってきた

投稿直前に自分の中でブレーキをかけてしまうことが多くなってきた。今のツイッターがあまりに簡単にアカウントロックされることや、RTを介しての拡散速度の速さとその発火点の低さに窮屈さや恐怖を感じている。拡散されたツイートが文脈や背景を読めないバカに届いてしまったがために、不必要な炎上を引き起こす事例をいくつも見た。ましてや世は緊急事態宣言を受けての私刑歓迎相互監視ディストピアである。
そしてもう一つ、ツイートが怖くなった要因が、上に3点挙げた「受信のしんどさ」の裏返しである。ふと思い返したとき、自分も発信側として加担してしまってきてるのではないかと思い、動けなくなってしまった。

これからどうしようか

とりあえずアカウントを消したりするようなつもりは無いし、一切触れないようにするというのは多分無理かなという気持ちもある(甘い)。現状、フォロー人数をぐぐっと減らしたリストを作って、見るならそれだけとして多少は落ち着いてはいる。ただ、発信する面での恐怖心は拭えないので、これまでのように考えたことをベタベタと吐き出していいくような使い方はしばらくしないだろう。その間はこのブログに何か書くのかな。

まずは、ツイッターと接する時間・情報量を減らして適度な距離感を見つけていきたいと思っている。

【C97告知】飛行機の脚の写真集第4弾を頒布します

飛行機の脚が大好きで作った写真集「Landing Gears」の4巻目を作りました。
2019年冬コミC97で頒布いたします。

飛んでいるときには必要がないけれど、離着陸には絶対に必要になる着陸装置。
滑らかに仕上げられた機体から突き出すメカメカしく飾り気の無い「脚」は、無駄を削ぎ落として露わになったその飛行機の本質といっても過言ではありません。そんな脚を眺めていると、その飛行機に求められるミッションや開発の物語が浮かび上がってきます。

メカメカしい「脚」から見える飛行機の世界を堪能下さい。

スペース

- C97 4日目 12/31(火曜日)
- 西2ホール く-31b
- サークル名: 迎え角30deg.

C97新刊:Landing Gears Vol.4

収録機 (14機)

今回はイギリス機がたくさん入りました。特徴的なイギリス機の「脚」は本を作るのも楽しかったです。

  1. Panavia Tornado
  2. Lockheed Martin F-35 Lightning II
  3. McDonnell Douglas F-15 Eagle
  4. Hawker Siddeley Harrier
  5. Hawker Siddeley Kestrel
  6. Avro Vulcan
  7. Handley Page Victor
  8. English Electric Lightning
  9. SEPECAT Jaguar
  10. de Havilland Mosquito
  11. Mikoyan-Gurevich MiG-23
  12. de Havilland Sea Vixen
  13. Rockwell B-1 Lancer
  14. Convair B-58 Hustler

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本の詳細

  • B5横フルカラー
  • 28ページ
  • 頒布予定価格 500円
  • 発行者 いけち (@aoa30)

書店委託

メロンブックス様で取り扱って頂けることとなりました。既に予約が始まっておりますので、冬コミに来られない方はこちらからよろしくお願いいたします。
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=594630www.melonbooks.co.jp


よろしくお願いいたします。

【とびもの学会告知】 アメリカの航空博物館ガイド本を頒布します


エアミュージアムコレクション

かねてより作りたかった「アメリカの航空博物館ガイド本」がやっと出来ました!
2019年3月3日、ハイライフプラザいたばしで開催される「東京とびもの学会2019大会」にて頒布いたします。


スミソニアン博物館や国立空軍博物館など有名どころから、地方の小さなローカル博物館まで12館を収録しています。展示や館内の雰囲気が感じられる写真と、それぞれの博物館へのアクセス方法、飛行機好きならニヤッとするようなスポットの情報などを詰め込みました。

また、アメリカで航空博物館に行こうとすると、どうしても車の運転は避けることが出来ません。レンタカーの借り方や給油の方法、運転ルールの簡単な紹介など、ドライブに役立つ情報も掲載しました。

駐在員生活をしているときに航空博物館巡りばかりしてものの総決算になります。これまでflickrtwitterにぽろぽろと投げていた「アメリカの航空博物館すごいぞ!」っていう思いをなんとか1冊にまとめることができ、ひと区切り付けられたかなという気持ちです。是非とも手にとっていただければ幸いです。

新刊「エアミュージアムコレクション」


表紙: Museum of Flight

  • B5フルカラー
  • 62ページ!!
  • イベント頒布価格 1500円
  • 発行者 いけち( @aoa30 )

サンプル





イベント頒布 - 2019年3月3日

  • 東京とびもの学会 2019大会 @ハイライフプラザいたばし
  • サークル: 迎え角30deg.
  • スペース: H1

書店委託

今回もメロンブックス様にて取り扱っていただけることになりました。会場に来られない方は是非こちらからよろしくお願いいたします。
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=481546www.melonbooks.co.jp


よろしくお願いいたします。

【C95告知】今年も「飛行機の脚」の写真集を作りました


みなさん脚は好きですか。僕は好きです。

飛行機の脚が大好きで作った写真集「Landing Gears」の3巻目が出来ました。2018年冬コミC95で頒布いたします。

飛んでいるときには必要がないけれど、離着陸には絶対に必要になる着陸装置。その飛行機の用途や特性に合わせつつ、飛行機の性能を最大化するため、出来る限り軽く、出来る限りコンパクトに、という創意工夫が詰まっています。
滑らかに仕上げられた機体から突き出すメカメカしく飾り気の無い「脚」は、無駄を削ぎ落として露わになったその飛行機の本質といっても過言ではありません。「脚」から見える飛行機の世界を堪能してもらえれば幸いです。

C95新刊:Landing Gears Vol.3

表紙: Boeing 787

収録機 (12機)

旅客機、輸送機、戦闘機、古今東西の脚を収録しました。

  1. Boeing 787
  2. Grumman F-14 Tomcat
  3. Lockheed C-5 Galaxy
  4. Boeing C-17 Globemaster III
  5. Vickers Valiant
  6. Mikoyan-Gurevich MiG-15
  7. Boeing 727
  8. General Dynamics F-16 Fighting Falcon
  9. North American P-51 Mustang
  10. Lockheed L-1049 Super Constellation
  11. Fairchild Republic A-10 Thunderbolt II
  12. Grumman A-6 Intruder/Northrop Grumman EA-6B Prowler

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本の詳細

  • B5横フルカラー
  • 34ページ
  • 頒布予定価格 500円
  • 発行者 いけち (@aoa30)

C95頒布情報

今回のコミケは抽選漏れでしたが、幸いなことに委託させて頂けることとなりました。

twitter.com
冬コミの当落発表で抽選漏れとなり、もう作るのやめようかなとガックリしていたところに、ぼろ太さんより「委託で置きませんか、私が読みたいので」とお声掛け頂き、Vol.3を完成させることが出来ました。ありがとうございます。

書店委託

メロンブックス様で取り扱って頂けることとなりました。冬コミに来られない方はこちらからよろしくお願いいたします。
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=450409www.melonbooks.co.jp


よろしくお願いいたします。

南関東の重力式コンクリートダムを見に行く

引っ越してきて南関東~甲信越エリアのダムにアクセスしやすくなった。ドライブがてらいくつかダムを回ったのでまとめておく。

小河内ダム

Ogochi Dam
奥多摩重力式コンクリートダム堤体も大きくて迫力があるのだが、いかんせん真横からしか写真が撮れず盛り上がりに欠ける。代わりに堤体とは別の場所に設けられた非常用洪水吐が大変立派でかっこいい。

深城ダム

Fukashiro Dam
大きなダムではないのだが、谷間にきれいな三角形に作られた正統派重力式コンクリートダム。その美しい姿を正面から見られるところに道路が通っているのが◎

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2018年夏シアトル旅行の変わらない景色

2018年8月、遠くに出かけなければならないという強迫観念に駆られ、シアトル旅行に行ってきた。仕事の都合で2016年3月まで住んでいたシアトルだが、それ以来の訪問だ。駐在期間が約1年半であったが、もうそれより長い期間が経っている。日本に戻ってきてから怒濤の日々だったので、改めて文字にすると驚くところがある。

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目的はシアトルエリアの航空博物館の再訪と、ある種のケジメみたいなものであった。もともとはシアトルに行ったことがない人を手配・車の運転付きで連れ回すという企画でもあったのだが、あまりにも突発すぎて一緒に行ける人が見つからなかった。かくしてお気楽な一人旅となった。

ボーイング社工場見学ツアーに参加し、博物館を巡り、以前に住んでいたところを訪れた。3年前の生活圏内を訪れたのは金曜日の夕方であった。日常的に買い物をしていたスーパーマーケットに入った瞬間、突然タイムスリップした気分になった。店内のにおい、音、棚の並び、買い物の度に眺めていた野菜の陳列、朝ご飯のためにいつも買っていた冷凍食品・・・どれも以前に見て・聞いて・嗅いで・感じたものと変わっていなかった。金曜の夕方、その週の仕事を終え、会社の帰りにスーパーに寄り、食材やビールを買い求め、ゆったりとした気持ちで週末に向かう、あの頃の自分がふと重なってきた。そのまま以前に住んでいた家に帰ってしまうような感覚を覚えた。

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自分は再訪した景色が何か変化していることを無意識に求めていたのだろう。かつて見ていた空間が変化していることを期待し、この2年半の自分の変化に勝手に投影しようとしていたのだ。

でも、今回出会った景色は変わっていなかった。もちろん細かなところをはいろいろ変わっている。レジのクレジットカードリーダは磁気ストライプのスキャンからICチップの認証に変わっていたし、潰れたスーパーの跡地はスポーツクラブになっていたし、日本食材を扱うスーパーの棚には「米にかけるための醤油」が増えていたし、自分の住んでいたアパートメントの駐車場には見たことがない車が止まっていた。
それでも、その場が持っていた空気はなにも変わっていなかったのだ。

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私はこの8月末で転職する。自分は「変わる」んだと思っていたし、実際に転職活動をしたことで「変わった」と思いこんでいた。でも、今回の旅行で見た景色は「変わらないもの」を強く叩きつけてきた。ちょっとショックだった。

しばらくはシアトルを訪れることはないだろう。今度訪れるときは、変わったもの・変わらないものを楽しんで感じられるようになっていたい。それにどれくらい時間がかかるのかは分からない。