迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

2016夏休み北海道旅行(後編)

前回の続き。
aoa30.hatenablog.com

8/18 釧路~帯広 310.13km 5hr58m

台風一過の晴天というほどではないが、雲も薄くなり明るい朝だった。
晴れてくることに一縷の望みを託し、釧路から北上して多和平展望台へ向かった。車通りの少ない道に入ると昨晩の台風で吹き飛ばされてきた葉っぱや木の枝が散らばっていたので注意しながら進む。こういうのを経験すると車高を落とすのも悩むんだよな。

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多和平展望台は雨こそ降っていなかったものの、全面曇りで視程は短く大パノラマとは行かなかった。悔しい。また来るぞ。

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気を取り直して国道241号阿寒横断道路を西へ。ここから徐々に青空が覗き始めて気持ちのいいオープン走行びよりになってきた。青空が出てきたところに、雄阿寒岳の峠越に入ってテンションさらにアップ。そういえば、北海道に入ってから大きく蛇行するような道はあったものの、こういうワインディングはぜんぜん無かった。気持ちよく走っていたら途中の展望台に立ち寄るのもすっかり忘れてしまった。

峠を下ったらすぐに阿寒湖。温泉街をちょっとぶらついたけれどここは老後でいいかなと判断し割とすぐに撤退。阿寒湖温泉街は、温泉街の宿泊客じゃないと車を止めるところに困る。青空の写り混む阿寒湖が見られたので満足。

阿寒湖からさらに国道241号で西へ、足寄に向かう。この間の道路が、雨上がりの泥加減と道路工事の影響ですごい埃だった。フロントガラスにもときどきウォッシャ液をかけないと前が見えなくなってしまうくらい。車体も下半分が茶色のグラデーションに染まっていた。

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足寄でのお昼ご飯はウッディーベルのハンバーガを狙っていたのだが、運悪くお休み。その近くのヒツジ堂でヒツジのカレーを食べた。牧場の経営するレストランらしい。とても美味しかった。

足寄国道から糠平国道に入って糠平湖を目指す。目的は士幌線の遺構群。
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糠平湖に近づいたところで事件が起きた。いくつかのトンネルを抜けた直後、糠平湖の唯一の水の出口である糠平ダムの正面にかかる大きな橋を渡る。ダムの天端レベルの高さから重力式コンクリートダムの正面を拝めるという場所は滅多にないので橋からダムが見えただけで大興奮だった。だが、その日の糠平ダムは太っ腹にもクレストゲートから放流していたのだ。

糠平ダム
前日の台風のおかげで糠平湖の水量が増え、完全な満水になってしまったのだろう。3つのラジアスクレストゲートのうち2つを開けていた。クレストゲートからの放流を見たのは初めてだったのでそもそもの目的を完全に忘れて、天端から放流を見下ろしたり、橋の歩道からダムの真正面を撮ったりとたっぷり時間をかけて堪能した。

糠平ダム
糠平ダムの放流は思いがけない出来事でとてもうれしかったのだが、ダムが非常用洪水吐から放流するほど水量が増しているという事実は本来の目的が達成できない現実の裏返しであった。

糠平湖の水位によって姿を現したり隠れたりする幻の橋、タウシュベツ川橋梁。周囲の植生のぎりぎりまで上昇した水面は、その姿をきれいさっぱり隠していた。分かってたけどさ。崩れ去る前にその姿を一度見ておきたい。また来なければ。

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駐車場で車を降りた瞬間にネタバレするのはやめて欲しい。

この日の宿泊は帯広。帯広市街に入ったところで、ガソリンスタンドの隅に高圧洗浄機を見つけたので泥を吹き飛ばすだけの簡単な洗車。どろどろだったロードスターも見られるくらいにはきれいになった。

帯広の夜はまたもや旅行中のTwitterのフォロワさんとタイミングが合ったためご一緒した。プリパラのクリスマスライブの抽選が外れた通知メールが来たのを除けば、大変に楽しい夜であった。

8/19 帯広~襟裳~苫小牧 328.07km 6hr17m

天気は雨かつガスが出て視界が悪い。
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幸福駅ナウマン象記念館などに立ち寄ったが、天気が悪くて屋根開けもできずいまいち盛り上がらない。今思えば疲れてきてたのかもしれない。
大樹町でJAXAのでかい格納庫をバックに写真を撮ろうと思っていたが、そういう気も起きずに進路を南西に向けて襟裳岬に向かった。

国道336号黄金道路はその名前の通りかなりお金のかかった道路だった。豪勢なのではなく、地形の厳しいここによく道路を造ったなと感じさせるものだった。ちょうどここを通ったときは海側から風が吹き雨が叩きつける状況だったのでその環境の厳しさを体感することとなった。

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このままの天気だと襟裳岬も絶望的だろうなと思っていたところ、最後の数キロで突然晴れ始めた。一気に気分が盛り上がり、屋根をオープンで襟裳岬にゴール。車から降りて走ってきた方向を振り返ると、厚くて黒い雲から襟裳岬だけが飛び出しているようだった。

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青空と太平洋を断崖絶壁から30分ほど眺めていると、沖合から白い雲の幕が広がってきて一気に空を覆い隠してしまった。青空の時間は本当に一瞬だけだったようだ。ラッキーだ。

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ちょうどお昼時だったので、岬の食堂で魚介の入ったラーメンを食べた。

この日のゴールは苫小牧の予定だったので、海沿いの浦河国道をずっと走っていったのだが、あまりこれといった場所もなく消化試合的であった。今思い返せば、北海道の西半分に戻ってきて人が増えてきて生活感が出てきたということだったのかもしれない。
途中から日高自動車道(無料区間)を利用したが、道の荒れ具合がハンパなかった。ここまでの道のりの中で道路の荒れ具合でLei02が反応したことはなかったのに、日高自動車道は舗装の段差を乗り越えるたびにレイちゃんが前に後ろに転がっていた。

旅行から帰ってからだと、劇場版アイカツスターズ!を見に行く都合がつかなそうということに気づいたので、その晩苫小牧イオンで見た。ゆめロラ最高であった。危うく北海道旅行の記憶がすべて吹き飛びアイカツスターズ!で塗りつぶされるところであった。(結局、予定がつかないどころかそのあと2回も劇場に足を運んでいたというのは別の話である)

8/20 苫小牧~函館 340.64km 6hr39m

北海道走行最終日。翌朝フェリーに乗る函館への移動となる。

支笏湖畔を経由して洞爺湖へ。洞爺湖温泉街と言えば天体のメソッドの舞台だ。
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観光協会

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バスターミナル

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天文台がそのままの形で実在したのには感動した。今にもノエルが飛び出してきそうな気分だった。

洞爺湖から内浦湾沿いに出たらこの日もずっと海沿いのドライブだ。長万部を少し過ぎたところにある三八飯屋で浜チャンポンを食べた。下調べ無く、地元っぽい車やトラックが集まっていたので外れないだろうと思って飛び込んだのだが、予想通り大当たりだった。ツーリングマップルを見返したらちゃんと載っていた。

大沼あたりから城岱スカイラインへ。Googleマップにも細い線でしか書かれていないし、検索しても情報のあまり出てこない道であったが、ツーリングマップルにはおすすめの気持ちのいい道と書かれていたので半信半疑ながら突入。これが大当たりだった。

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気持ちのいいワインディングを登り切ったところで目の前に広がる函館の街。函館の街は夜景を見るために南から見たことはあったが、北側から函館を眺めたのは初めてだった。今回の天候が微妙な旅行の中で峠を越えて下界の景色がぱあっと広がる瞬間は初めてだったかもしれない。

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城岱牧場の展望台に車を止めて記念撮影。

気持ちよく下りのワインディングも走り抜けて目指すのは函館郊外の笹流ダム
笹流ダム
大きなダムではないのだが、数の少ないバットレスダムと言うだけで存在感を放っている。固まりではないコンクリートの造形が美しい。

その日の宿は函館空港近くの湯の川温泉だった。到着してみていると何か街の様子が騒がしい。人々がみんな海岸沿いに歩いていく。調べてみるとなんとちょうどその日が湯の川温泉の花火大会だった。泊まった宿の部屋はまさに海向き。夜は部屋の窓から花火を眺めつつ森駅で買ったイカめしを食べビールクズになりゴールした。

8/21 北海道脱出

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早朝に宿を出発。最後の朝食はやはりセイコーマートの大きなおにぎり。翌日からまたセイコーマートのない生活かと思うと悲しい。セイコーマートは人権、そんなことを考えながら朝7時40分発の函館~青森のフェリーに乗り込んだ。

青森からはひたすら東北道を南下する。屋根も閉じてるし、車も多いしであんまり楽しくない。休憩でPAで車を降りた瞬間、本州の本気の暑さに倒れそうになる。

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やはり夕方の東北道那須から宇都宮のあたりで渋滞が起こっていた。時はちょうど夕焼け。まだちょっと暑くはあったが、白河で下道に降りて屋根をオープンにし国道294を南下。少し遠回りではあるけれど気持ちのいい締めのドライブになった。

夜21時頃帰宅。8日間、2,878kmの北海道ドライブ旅行が終わった。

アルバム

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