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迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

鬼怒川4ダム見学会に行ってきた

7/31 利根川鬼怒川流域4ダム見学会に行ってきた。
栃木県の鬼怒川上流にある川俣ダム川治ダム五十里ダム湯西川ダムの特別見学会。普段は入れないダムの中を案内してもらえる太っ腹なイベントだ。予約もいらない。どのダムも10人くらい見学者が集まるとヘルメットが渡されて随時見学ツアーが始まる。職員さん全員出動だろうか。ありがとうございます。
今回は一番奥地にある川俣ダムを除いた3つのダムの見学会を巡ってきた。

川治ダム

川治ダム
巨大なコンクリートアーチの川治ダムはダムの壁面にへばりつくキャットウォークを歩くことができる。常用洪水吐のある中くらいの高さのキャットウォークなのだが、下は全面グレーチングになっており透け透け。なかなかにスリルがある。普段は遠くから眺めるしかない堤体を間近に見て触れることができ大興奮だ。

川治ダム監査廊
監査廊。地盤の中の部分は写真のように天井がアーチ型になっており、堤体内部は角ばった天井となっていた。掘った部分と積み上げていく部分の違いによるものだろうか。面白い。

川治ダム 旧道トンネル
キャットウォークから下流左岸を見ると、強固に補強された岩盤に小さなトンネルが見える。これはダムが作られる前にあった集落に通ずる旧道のトンネルだったそうだ。この小さなトンネルを路線バスやトラックが行き来していたらしい。
今年は渇水になっており水位が下がっているからもしかしたらダムの底に沈んだ遺構が見えることがあるかもしれない。水不足という意味ではそんなことになっては欲しくないが、そういう光景も見てみたいなと思ってしまった。

湯西川ダム

湯西川ダム
2012年に完成したばかりのピカピカの新しいダム。まだ堤体のコンクリートが白くてきれいだ。
直線でビシッと構成された堤体は、他のダムのような装飾も一切なくシンプルで無機質(予算削減のため?)。非常にすっきりした見た目で、かつ高さと幅の比率が美しく結構気に入っている。堤体内エレベータで下流広場に降りて下から見上げることができる。湯西川ダムの見学会はツアーではなく地図が渡されて自由に見て回る形式だった。好き勝手に納得いくまで見られるので満足感は高いのだが、無限に時間がかかるという問題に直面することとなった。

湯西川ダム
取水設備の制御盤。
このダムの自慢は取水設備にサイホンが使われていること。これまでのダムは、取水塔の中のシャッターを上下にスライドさせて取水量や取水高さを調整していたが、湯西川ダムでは取水塔の中に低いところから高いところまでサイホン管がずらりと並べられており、空気圧をバルブのように使って任意のサイホン管から水を取り出すことができるようになっている。これにより機械式に付きまとうメンテナンスの問題から解放されたとのこと。
ただ、新しい方式なため開発要素が残っているようで、空気圧配管周りにまだまだ改善の余地があるとのこと。今後はこの湯西川ダムでの実績が生かされて他のダムにも使われていくことになるだろう。

湯西川ダム 放水ゲート
放水ゲート
放流する水が流れているパイプは床下に隠れており、ゲートを上下させるアクチュエータ(緑色の棒)のみが床上に飛び出している。アクチュエータが2つあるのは、正と副の2機が流路に直列に備えられているため。この日は片方が全開でもう片方は20%の開度だったが、それでも外のジェットフローバルブからはかなりの勢いで水が噴き出していた

五十里ダム

五十里ダム
五十里ダムは鬼怒川4ダムの中でも最も古い重力式コンクリートダム。
先ほど見た湯西川ダムの白い堤体に対して、年季の入った堤体は一面黒くなっている。

五十里ダム 監査廊
ダムはその一生の中で、作られてから数年間の初期と、その後の安定期、そして老朽化が目立ってくる後期の3フェーズに分かれる。初期のうちは打ったばかりのコンクリートの硬化・収縮や周辺地盤が安定化などダム構造自体がまだまだ動きうる。また、貯水量による変形や水の漏れ具合などのデータも溜まっていない。初期のうちはダム内に大量に取り付けられたセンサーの情報収集や水漏れ量の測定など、ダムの特性を掴むためのデータ集めに奔走するらしい。構造が安定しダムの特性も分かって「経験値」を蓄えると、ダムは安定期に入る。できたばかりの湯西川ダムはまだ安定期に入っておらず、毎日たくさんの点検ポイントを巡回し記録を残すなど体力的に結構なハードワークとのことだった。五十里ダムは老朽化による補修などの手間はあるが、これまでに蓄えたの「経験値」が豊富なために比較的安定しているとのことであった。

ダムは生き物だ。面白い。

まとめ

  • 重力式コンクリートが好き
  • 真のダムマニアはマイヘルメットを持ってくる
  • ダムはいいぞ

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川治ダム