迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

アメリカ生活が終わった

やっと日本から帰ってこいとの指令が出てアメリカ駐在が終わった。2014年9月に赴任して約1年半という期間は海外に送り込まれる駐在員としては短い方かもしれないが、自分としてはもう満腹、というよりいっぱいいっぱいという感覚。 

 最初は、あちこち旅行したり、日本との違いに面白いなぁと感じる気持ちの余裕があったのだけれど、それも1年も経つと徐々に飽きてきてネガティブな面ばかり目に付くようになってしまった。アメリカ人と日本人の仕事に対するメンタリティの違いにはイライラすることが多かった。去年の夏に一度日本に出張して、その差を如実に目の当たりにしてからは特に。 

飛行機大国

飛行機好きとしては、飛行機大国のアメリカ生活は楽しかった。夏になればあちらこちらでエアショーが行われるし、航空関係の博物館も小さいものから大きいものまで星の数ほどあって全く飽きなかった。赴任前に買ってあまり活躍の機会もなかったSIGMA 50ー500のレンズもこちらに来てエアショーで大活躍だった。大自然系の観光に興味のない人間なので、国内旅行はもっぱら飛行機を追っかけてのものになった。

国内旅行

自分はのんびり移動過程も楽しむような旅行が好きだったけれど、アメリカではそういうスタイルにはならなかった。いかんせん国土が広すぎて町と町の間には何もないし、移動時間もかかりすぎる。飛行機でビュンと飛び越えるか、車でひたすらフリーウェイを飛ばすだけの移動になってしまう。それに、どこに行っても同じチェーン店があって、同じような形の家が並んでいて、気候以外の文化の差を感じないのも物足りなかった。よく言う観光地は作られたテーマパーク的。町による違いでよく評価対象に上がるのは、治安がいい/悪いくらいだったし。

オタク生活

アメリカではCrunchyrollでアニメが見られるし、Kindleでコミックも手に入る、アニメのBDだって日本のAmazonが配送してくれるし、そのほかのグッズだって転送サービスを使えば何とかなる。それでも、やはり海外生活は気持ち的にしんどかったなぁと言う感想。コンテンツが手に入ればそれでいいか、っていうとそうじゃないんだよね。本屋に行って本が並んでいるのを見て表紙買いしたり、コンビニでアニメとのコラボをしてるのを眺めたり、Twitterで日アサ実況が盛り上がっているのを読み流したり、そういう日常生活に溢れてきているものを無意識のうちに吸収して活力にしていたのだなぁと言うのを実感した。
ちょっと前に話題になった日本のクリエータはなぜ日本を離れないのか?の問いから生まれた「油田は動かせない」という名言に強く納得した。

普段は自宅で自炊できるからまだましとしても、やはりアメリカの食事はつまらなかった。地域的な名物料理ってモノがないのでどこに行っても同じような料理ばかり。食べ物が旅行のモチベーションとなっていた自分にとっては我慢を強いられた。
衣食足りて何とやらというくらい食事は大事。飛行機趣味にはすばらしい国だが、その土台が揺らぐようではやはりつらい。
 
やっぱり日本人には日本食だよ。
早くおいしいご飯が食べたい。
 
日本へのフライト前の待合室より。