迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

「ロードバイクの科学」

ロードバイクの科学―明解にして実用!そうだったのか! 理屈がわかれば、ロードバイクはさらに面白い! (SJセレクトムック No. 66)ロードバイクの科学―明解にして実用!そうだったのか! 理屈がわかれば、ロードバイクはさらに面白い! (SJセレクトムック No. 66)
(2008/03)
ふじい のりあき

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サイクルベース名無しでの評判がよかったので読んでみました。

自転車の車体やパーツのレビューをまとめた本は五万とありますが、この本はロードバイクの特徴を根本から見直して科学的に分析している本で今までに無かったものではないかと思います。分野も、走り、ブレーキング、カーブ、パワーマネージメント、安全な走行、とロードバイク乗りに必要なことを網羅しています。
雑誌などでは曖昧な表現で片付けられていることを、一つ一つ実験したりモデル化して効果を求めたりと説得力が違います。

例えば、
 「時速30kmでは全抵抗の76%が空気抵抗」
 「ペダリングのトルク変動を減らす踏み方の習得は自分の感覚とズレがあるので練習が必要。」
 「時速25km平均のツーリングで、1時間にオニギリ3個分のエネルギーを消費する。」
などなど。

個人的にはパワーマネージメントの章は目から鱗の連続でした。レースに出るわけではなくてもロングツーリングやツーキニストにも有用な話題が多く、今まで自分がいかに無頓着でMOTTAINAI走り方をしていたかを実感しました。

著者はHONDAのエンジニアで自転車マニア。経験と的確な考察に裏打ちされたこの本は絶対にオススメです。読み捨てではない信頼のおける本。
これを読んで、ロードバイクの走りにどのようなことが効いてきて自分は何を重視するのかということを整理すると、自転車雑誌の歯切れの悪いレビュー(「進むホイール!」とか)とや怪しげな広告に踊らされることはなくなるのではないでしょうか。

自転車に乗れない梅雨の間に是非。