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迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

とある飛空士への追憶

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い)とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い)
(2008/02/20)
犬村 小六

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「美姫を守って単機敵中翔破、1万2千キロ。やれるかね?」

レヴァーム皇国の傭兵飛空士シャルルは空軍大佐から重大な任務を課せられる。レヴァーム皇国の次期皇妃ファナを、帝政天ツ上に制空権を抑えられているサン・マルティアから本国に送り届けてほしいという。
サン・マルティアから本国の皇都エスメラルダへ向かうには、天ツ上空軍が幅を利かせている中央海を翔破しなければならない。用意された複座式水上偵察機サンタ・クルスの後席に「光芒五里に及ぶ」とまで言われる美しさの少女を乗せ、二人きりで敵中突破の旅に挑む。

いたるところで評判が良いので読んでみました。本屋3軒回ってやっとゲット。
ストーリーはきわめて王道といってしまってよいでしょう。普通なら絶対出会うはずも無い、階級社会の最下層出身の空軍傭兵と最高地位に属する次期皇妃が出会うとき運命の歯車が狂い始める?身分の差を感じながらも恋を育んでいく様子が切ない物語です。

この作品の素晴らしいところは、飛行中、特に空戦時の描写に臨場感があってスリルがある点だと思います。
敵軍には作戦行動が読まれている状況下、圧倒的に戦闘力の劣る偵察機を駆って最新鋭戦闘機群の攻撃をかわしていく様子が徹底的に描きこまれています。息つく暇の無い空戦の緊張感・スピード感が迫力満点で引き込まれるように読んでいました。

身分を跨いだ恋の切なさと、大空を翔けることを誇りに思う飛空士の美しい舞を是非ともご堪能あれ。

「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。」と並んで入手しにくいのが惜しいところです。「旅に出よう〜」もオススメです。