迎え角30deg.

上向きでも飛んでいかない日々。前に進むだけで精一杯。

North American XB-70 Valkyrie

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これもずっと会いたかった飛行機。生み出された政治的背景をすべて吹き飛ばす力強さを持っている。

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ツルのように伸びた胴体に巨大なエンジンを6発も携え、その巨体は大きなデルタ翼に支えられる。その翼はこの怪鳥が本気を出すときにのみ、地上では決して見せない姿に変化する。地上にいる人間にはその勇姿を拝むことはできない。

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この機体が作られ、実際に空を飛んでいたのは50年も前だ。これほど「飛びたい」という意志が溢れているデザインの航空機は今あるだろうか。怪鳥が翼を休める姿を前にそんなことを考え一抹の寂しさを感じてしまう。

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この機体も博物館の改装で新しい建屋に移動される。これまでの格納庫はXB-70がギリギリ収まるサイズであったので、真正面から見たりエンジンの排気口を覗き込んだりといったことができなかった。周りにも小さな機体が所狭しと並べられていたので、どこから写真を撮っても別の機体が写りこんでしまっていた。新しい建物に移ったら見学環境はよくなるだろう。広い建物に移ってゆっくりと羽根を伸ばして欲しい。もう伸ばしてはいるか。

アルバム

iPadのスタンドを作った

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iPadを縦置きにできるしっかりしたスタンドを作った。

メインPCのディスプレイはデュアルにして普段は片側にJanetterを表示しているのだが、Lightroomで写真の現像をしている時はディスプレイが2面埋まってしまう。その際にタイムラインを表示しておく場所としてiPadを使っていた。ただ、iPadの風呂の蓋カバーは画面をタッチすると不安定なので何とかしたかったのと、やはり縦長に表示したかった。自分の机でベストな角度になるようにスタンドを自作することにした。

ちょうどいい商品を探すのが面倒くさかったのと、日曜日に買い物に家から出るのが面倒くさかったというのもある。

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アラスカでオーロラを見てきた

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サンクスギビングの連休でアラスカに出かけてきた。

アンカレッジ

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目的地はフェアバンクスだがまずアンカレッジに飛んだ。アンカレッジ→フェアバンクスはAlaska Railroadが冬だけ運行しているAurora Winter Trainに乗る計画。
動物園とか民族博物館とか街中を観光し、夕飯に日本料理屋に行ってみた。アメリカ人の作る日本料理の店ではなく、日本人がやってるちゃんとした和食の店。ここで食べた銀ダラの粕漬けがめちゃめちゃ美味かった。
翌日Aurora Winter Trainに乗るべく駅に行ってみると、なんと列車は雪崩で運休になったとのこと。その場で飛行機を予約することとなった。ここで出来た空き時間でAlaska Aviation Museumに行ったのだが、怪しい737が展示されていたり、お土産屋さんにヴィンテージなプラモが置いてあったりと収穫が多く、列車キャンセルも結果オーライだった。

チナ温泉

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フェアバンクス空港から車で1時間半くらい山奥に走っていくとチナ温泉リゾートにつく。今回はオーロラを眺めるためにここに3泊した。
温泉というだけあって極寒の中、温泉の露天風呂に入ることが出来る。ただし、水着着用だしなぜか湯船が深くて座ることが出来ないのがちょっと残念。湯に浸かってる間に髪の毛やまつげが凍る。

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チナ温泉ではオーロラはこの時期は強弱こそあれ見えることが多いらしい。そのオーロラの動きが活発になるかどうかは運次第のようだ。今回は三晩トライすることが出来たが、一晩は激しく光ってゆらゆらと動く様子を見ることが出来た。他の日もオーロラ自体は見えていたものの暗いままだったり、低いところで輪っかのように安定したままという感じだった。

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オーロラ観測で夜寝るのが遅いので、起きるのも遅くなる。そもそも高緯度のため日の出が10時で日の入りが15時の世界だ。ブランチと夕食だけの日々が続き、短い明るい時間は氷像ツアーを見たり、犬ぞりに乗ったり、ストーブの部屋でぬくぬくしてる猫をもふったりしてのんびり過ごした。

服装

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もふもふな人

冬のアラスカなので当然に寒い。外気温は-20℃くらいだが、風が吹くのと、足下の雪の冷たさが馬鹿にならない。今回は以下の装備で望んだ。

  • 上半身
  • 下半身
  • 足もと
    • 靴下→指先に貼るホッカイロ→厚手の靴下→スノーブーツ

これだけ着こめば夜中でも活動できた。つらいのはやはり末端部分の手先と足先。手の指は撮影でカメラを操作するためにどうしても厚手の手袋を着用できない。ささっと設定を決めシャッターを切るときだけ手を出し、スキーウェアのポケットに手を突っ込んでホッカイロをにぎにぎしているのが1番良かった。三脚もキンキンに冷え手の熱を奪われるのでスポンジみたいなのを巻いておくのがオススメ。
地面が全面雪なので足の裏からどんどん熱が逃げていく。今回の旅行のために買ったスノーブーツは断熱材もかなり入ってあったし、ソールもかなり分厚いのだけどそれでも指先は冷えていった。雪の上で爪先を少し浮かすだけでもだいぶ違う。足の指先の下に貼ったホッカイロがかなり効果的であった。

自分が買ったのは "LITE" が付かないやつで-32Cまで対応という札が付いていた。

その他

屋外で使ったカメラを屋内に持ち込むと、レンズ表面から鏡筒にカメラ本体と全部が結露してしまう。カメラが入るサイズのジップロックを用意して、冷えたカメラに直接屋内の暖かい空気が当たらないようにした。

アルバム

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Grumman X-29A

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実機と対面して最も感動した飛行機。

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前進翼先尾翼、真っ白に赤とネイビーのカラーリングに包まれたその存在感は数多ある試験機たちの中でも唯一無二だ。

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SFから抜け出してきたようなこの飛行機が大空を実際に飛んでいたのだ。
ただの軽量化だけではない、CFRPの特性を生かし切った主翼構造が素晴らしい。金属をFRPに置き換えてるだけの飛行機なんか滅びてしまえ。

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国立アメリカ空軍博物館の新展示室へ移動後は、天井から吊されて展示されるらしい。この飛行機の特異な形を知るには最も良い展示の仕方だと思うが、今回訪れたときのように目の前で見ることが出来なくなるのは寂しい。移転前に対面することが出来て本当に良かった。

アルバム

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2015年夏の飛行機まみれアメリカ国内旅行記

9月末から10月頭に掛けてギリギリ夏休みということで、アメリカ国内の旅行をしてきた。一般的な観光地には見向きもせず、ひたすら飛行機を追いかけるだけの旅行になった。同行者は日本からはるばる渡米したはるねーさん(@har_u)。

この記事は旅行記として旅の様子をぐだぐだと書き連ねる。旅行で訪れた各博物館やエアショーの様子詳細は別記事にて書いていきたいと思う。それぞれの記事を書いたらこの旅行記にもリンクをどんどん追加していく感じで更新していくつもり。

9/26 (1日目) 移動日

シアトルからワシントンDCに移動する。フライトは5時間くらいだけど、時差が3時間あるので到着すると8時間経つ。
ホテルはダレス空港からすぐ近くの所に取ったので、無料のシャトルバスを20分くらい待ってホテルに転がり込む。ホテルのエレベータはなぜか自分らの宿泊するフロアのボタンが押せなかった。カードキーをあれやこれやすれば押せるはずなんだけど、数分格闘して無理だったのでひとつ下の階に向かって階段で上った。なんだこれ。ホテルの周りにご飯を食べられるところがなかったので、空港の売店で買ったサンドイッチとホテルの売店で買ったレンジで1分のパスタを夕飯とする。
ホテルは部屋は小ぎれいだったのにバスルームの換気扇が動かない。シャワーを浴びると部屋の湿度が凄いことになった。

9/27 (2日目) スミソニアン博物館別館

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月光、桜花、呑龍、晴嵐

ホテルから空港行きの無料シャトルバスに乗る。30分おきに出発との話だったがいまいち時刻通りではない。空港に向かうときは利用エアラインを聞かれるが、飛行機ではなく空港からのバスを利用したいだけなので、そう告げたらバスターミナルまで乗せてくれた。親切。
ダラス空港から路線バスに乗って、Steven F. Udvar-Hazy Center、通称スミソニアン博物館別館に向かう。2回目の訪問だが、路線バスの乗り場も時刻表も運賃について以前に自分で書いたブログ記事が役に立った。
aoa30.hatenablog.com

博物館を堪能してホテルに戻ってきて、ホテルの中のレストランで夕飯を食べた。隣のテーブルにきたアジア人夫婦は全く英語が出来ないらしく、困った店員の姉ちゃんがこちらに「あの人たちの言うこと分かる?」と聞いてくるも中国語っぽくて分からなかった。同じ料理を食べたいぽかったのでそう伝えた。文句言われたら嫌なので、そちらのテーブルに料理が届く前にそそくさと部屋に撤退。やはりバスルームの換気扇は動かない。

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カナダのAbbotsfordエアショーは曇っていた

Snowbirds

曇ったエアショーは盛り上がらない。

飛行機の踊る舞台は青空以外にありえない。グレーの背景に白いスモークを吐くらいなら飛ばなくていい。燃料の無駄である。

とはいえ、天候は無慈悲だし、飛ぶならとりあえず眺めたくなるのが飛行機好きの悲しい性だ。ちょうど1か月ほど前、8/7にカナダ国境を越えてAbbotsford Airshowを見に行ってきた。

ブログ記事になるまで1か月もかかっていることが、いかに盛り上がらなかったことを如実に表している。

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モハヴェ砂漠で飛行機の墓場に手を合わせてきた

Aircraft boneyard
今自分が住んでいるシアトルは旅客機の生まれる場所である。シアトル都市圏のいろんな空港から、日々新しい飛行機が生まれどこかへ飛び立っていく。それらの飛行機はどのようにしてその生涯を終えるのか。その様子を自分の目で見たく、飛行機の墓場の1つであるモハヴェ空港に行ってきた。5月の頭、Planes of Fameエアショーを見に行った翌日のことである。

静かな空港の片隅に集められ、きれいな塗装が残ったまま少しずつ部品をもぎ取られ、徐々に自立できなくなり、赤い地面に身を横たえる旅客機。そこは紛れもなく墓場だった。

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